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HiGH&LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION(ネタバレ)





※今回の感想は、この映画が好きな人は不快になる怖れがあるので、読まないで!
※今回の記事は、損壊した死体のグロ画像などが貼ってあるので、そういうのが苦手な人は読んじゃダメ!









HiGH&LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION

FINAL MISSION

2017/日本 上映時間104分
監督:久保茂昭、中茎強
企画プロデュース:EXILE HIRO
脚本:平沼紀久、渡辺啓、上條大輔、Team HI-AX
アクション監督:大内貴仁
製作総指揮:黒崎太郎、森雅貴
エグゼクティブプロデューサー:山田克也、森広貴、八木元、関佳裕
プロデューサー:植野浩之、藤村直人、平沼紀久、中林千賀子
制作プロデューサー:森田美桜、阿久根裕行、平林勉
製作統括:川田真太郎
配給統括:吉田繁暁
撮影:長野泰隆、安田光
撮影スーパーバイザー:鯵坂輝国
照明:平野勝利、児玉淳、野口マスト
録音:芦原邦雄、小宮元
美術:橋本創、畦原唱平
装飾:岩間洋
コスチュームプロデューサー:小川哲史
衣装:井出珠美
メイク:中山有紀
編集:小野寺拓也
音楽プロデューサー:佐藤達郎
音楽:中野雄太
主題歌:EXILE TRIBE
挿入曲:Valentine feat. Rui & Afrojack
選曲:金貞陽一郎
音響効果:斎藤昌利
VFXスーパーバイザー:平興史、島崎章
助監督:市原直、長尾くみこ、高土浩二
スケジュール:副島宏司
制作担当:吉田信一郎
ラインプロデューサー:柳内孝一
出演:AKIRA、青柳翔、TAKAHIRO、登坂広臣、岩田剛典、鈴木伸之、町田啓太、山下健二郎、佐藤寛太、佐藤大樹、八木将康、岩谷翔吾、山本彰吾、天野浩成、黒木啓司、遠藤雄弥、稲葉友、栁俊太郎、廣瀬智紀、松田凌、西川俊介、西村一輝、山田裕貴、鈴木貴之、一ノ瀬ワタル、青木健、清原翔、陳内将、窪田正孝、佐野玲於、ZEN、佐野岳、藤井夏恋、鈴木梨央、林遣都、阿部亮平、小澤雄太、水野勝、田中俊介、守屋光治、井沢勇貴、楓、佐藤晴美、山口乃々華、城戸愛莉、藤井萩花、坂東希、ELLY、大屋夏南、野替愁平、白濱亜嵐、ANARCHY、LIKIYA、祐真キキ、NAOTO、関口メンディー、岩永ジョーイ、中谷太郎、JAY、武尊、城戸康裕、橘ケンチ、小林直己、尚玄、小野塚勇人、渡邉紘平、武田幸三、夕輝壽太、白石朋也、荒木秀行、黒石高大、長谷川初範、堀部圭亮、矢島健一、斎藤洋介、渡辺裕之、池上幸平、豊原功補、YOU、小泉今日子、飯島直子、岩城滉一、岸谷五朗、加藤雅也、笹野高史、高嶋政宏、木下ほうか、中村達也、早乙女太一、津川雅彦
パンフレット:★★★(1000円/しっかりした作りで写真多めのパンフ)
(あらすじ)
総力戦によりスカウト集団DOUBTらとの戦いに勝利したSWORDのメンバーたちは、九龍グループに対して「NO」を突きつけた。しかし、SWORDのメンバーたちに対し、九龍グループが総力を結集したSWORD壊滅行動を決行。各チームが壊滅状態に追い込まれ、山王連合会も分裂の危機にさらされてしまう。山王連合会リーダーのコブラは1人で九龍に闘いを挑むが、九龍によって拉致され激しい拷問にかけられる。裏で政府と結託している九龍グループは、政府主導によるかつての不正隠ぺいのため、SWORD地区の無名街を爆破し、その跡地にカジノ建設をもくろんでいた。SWORDメンバーと琥珀、九十九、雨宮兄弟たちは、政府と九龍による隠ぺいを暴くための「3つの証拠」を見つけだし、かつてない巨大な力と戦いを挑んでいく。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


「HiGH&LOW THE MOVIE 2/END OF SKY」は最高のひと言でして。その続編となる本作については「1983年に『ジェダイの復讐』の公開を待っていたSWORDファンはこんな気持ちだったのカナー (´∀`)」なんて微妙に反感を買いそうな文章を書いちゃうほど、ワクワクしていましてね。とは言え、他の「観ないと都内の上映が終わりそうな映画」を優先していたため、公開してもなかなか足を運べなかったんですが、愛聴しているラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題映画になったので、今週の月曜日、新宿ピカデリーで鑑賞いたしました。期待しすぎちゃったカナー (´∀`;) ハハハ


3番スクリーン、10分の1ぐらいの入りでした。
3番スクリーン


「スター・ウォーズ」で例えると、「帝国の逆襲」でテンションが上がった人は「ジェダイの復讐」に失望したというし、最近の邦画前後編モノでは、「るろうに剣心 京都大火編」「ちはやふる 上の句」「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」など、どれも前編の方が盛り上がったというか。これって観客の無駄に高まった期待値のせいもあれど(汗)、「物語は風呂敷を広げている時が一番面白い」というのも大きくて、本作もそんな感じだった印象。まぁ、シリーズモノや前後編モノの宿命ではありますわな。僕的には2つの大きなガッカリポイントがあったので、個条書きにしてみますよ↓



<① ヤクザがマイルドでガッカリだった (´・ω・`) ガッカリ>

前作の何が衝撃的だったかというと、ヤクザが牙を剥いて終わるラストでして。今まで「警察権力を味方にして、邪魔者を殺してきた人たち」として描かれていた九龍グループが、とうとう本気を出す…。そんな“容赦ない暴力”に対して、「タイマン張ったらダチ」的な戦いしかしてこなかったコブラたちがどうやって対抗するのかとヒヤヒヤドキッチョしていたら(45歳の文章)、思いのほかマイルドだったというね…。

例えば、「ボーダーライン」に出てきたメキシコ麻薬カルテルの鬼畜のような所業と比べると…。
「ボーダーライン」の吊された人たち

本作の宙づりはかなりマイルド仕立てなのです(しかも全員生きてたっぽい)。
「FINAL MISSION」で吊された人たち

いや、僕だって社会人ですからね(苦笑)、本作は中学生も観る映画であり、凄惨な内容にしたらアウトなことぐらいはわかりますよ。だから、コブラがセメントゴクゴクの刑に処されるシーンも「途中で誰かが助けるんだろうな〜」とは思ってたし。そんなゴア描写はなくても、White Rascalsのクラブの賃貸契約を強引に破棄させたりとか、無名街で人間狩りをしたりとか、大臣を処刑したりとか、うれしい場面が多かったのも確かですよ(無名街でのキリンジと植野龍平の長回しも面白かった)。

公の教育機関なのに、鬼邪高が燃やされたのも良かった。教師はどうなったのか(今さらな疑問)。
燃やされた鬼邪高

ただ、1人1人の家を襲撃するとか、身内を拉致するとか、もっとエグい展開を期待してたし、そんな“暴力”にSWORDがどうやって抗うのかが観たかった。さらわれるのがコブラだけってさぁ…(しかも村山たちがコブラを探すシーンの五分割演出が恐ろしいほど微妙)。例えば、藤井萩花さん演じるナオミさんが拉致されて、捜索する山王連合会の元に「HOLA!(やあ!)」というDVDが届く→ゴミ処理場でナオミの首なし死体が発見される→殺意の波動に目覚めたコブラが誕生する…なんて展開が観たかったザンス (´・ω・`) ミタカッタ...

「HOLA!(やあ!)」と書かれたDVDがITOKANに届いて…(「悪の法則」より)。
HOLA!

ゴミ処理場にはナオミの無惨な死体が…って、こんなの無理に決まってるだろ! ( ゚д゚) アホカ
首ナシ死体



<② 脚本がガッカリだった (´・ω・`) ガッカリ>

本作の脚本は今までで一番酷いと思いました。悪徳刑事・西郷のベビーターンからの「国が隠蔽した公害を暴けば全部OK」展開には、かなり萎えたというか。そういう理屈を設定しないとコブラたちが九龍グループを倒せないにしても、政府の隠蔽行為にリアリティがなさすぎるというか(なにあの隠蔽)、フィクションのギアがまた二段は上がった感じ。今まで散々“リアリティのなさ”を飲み込めてきたのに、僕的に本作のこの部分が結構厳しくて、「公害の犠牲者→証拠になる」ということでスモーキーが殺されるくだりとか、悲しむ以前にバカバカしかった…って、伝わりますかね。僕はすっかり「THE RED RAIN」の「琥珀さんが海外に行ったラスト」が九龍グループに対抗するための伏線だと思ってたんだけどなぁ…(韓国マフィアの力を借りるとか)。

スモーキーが死ぬシーン、泣く気マンマンだったのになぁ。
スモーキー(窪田正孝)

映画仲間のサイモンさんは「琥珀さんはUSBがわからなくて、とりあえずUSAに行ってみたのでは?」という説を提唱してました「THE RED RAIN」より)。
空港にいる琥珀さん

特に残念だったのがクライマックス。これまでの映画では、しかるべき場所での“スケール感がある大乱闘”があり、倒すべき相手がいて、とりあえずのスッキリ感はあったから、変なところがあっても気にならなかったんですが、しかし。今回は登場人物たちがあちらこちらに分散しているのを同時進行していて、しかも爆弾解除とか役に立たない場面もあったりするせいか、良いシーンがあっても気持ちが乗りにくかったんですよね。ラストも、記者の前で科学者が巨悪を告発するシーンなんて盛り上がるはずなのに、あまりに雑すぎてムカついたし…(斎藤洋介さんの「これが公害の証拠です!」というストレートな台詞にはゲッソリした)。コブラが勝利宣言をしてヤクザがスゴスゴ引き下がるくだりも好きじゃなかったし(後半の九龍グループの腰砕け振りには失望)、小泉今日子さんとYOUさんの”大人組”が出てきて、したり顔をするのもイラッとしたりと、結構不満まみれでした。例えば、小泉今日子さんが拉致されて、捜索する九十九の元に「HOLA!(やあ!)」というDVDが届いたりとか、そういう展開になったら良かったのに…(しつこい)。

斎藤洋介さん絡みの展開は、どれも好きじゃなかったです。
琥珀さんと斎藤洋介さん



その他、「このシーン、別々で撮っているのかな?」と思うところがいくつかあって(スモーキーが死んだ後とか)、お金&スケジュールに余裕がなかったのかなぁと。達磨一家が花火で道を切り開くシーンとか、シチュエーション自体は100点すぎるのに、花火だけで肝心の突入場面を映さないあたり、ちょっと寂しかったですね(あれはあれで悪くないとも思うけど)。あと、ダンたちが山王連合会に戻るくだりが「父親の言葉で目が覚めました→なんとなく戻りました」程度だったのは、拍子抜けしましたよ(もっとドラマが描かれるのかと)。村山の「ネット使って相手の痛みを気にせずに〜」という台詞も唐突に感じましたね(ネットでイヤなことでもあったの?)。


この場面、ダンたちが助けにくるかと思ってたのに(まぁ、琥珀さん&九十九でも良いですがー)。
セメントを飲まされるコブラ


な〜んて文句ばかり書きながらも80点にしているのは、ちくしょう、それでも好きだからーー (ノД`) アァン いや、本作は映画としては今までで一番ダメな作りだとは思うんですが、もう登場人物たちに思い入れがあるから、なんだかんだとケチをつけながら、ごめんなさい、満足する僕もいたのです。最もグッときたところを挙げるなら、終盤の雨宮兄弟vs源治はスゲー良かった!ヘ(゚∀゚*)ノ ヤッタァ! 兄弟が腕と脚に鎖を巻いて日本刀に立ち向かうあたりとか見事で、平成ライダーを観ている人なら「仮面ライダーカブト」地獄兄弟を連想したのでは。僕的には、このシリーズで最強は雨宮兄弟だと思っております。


雨宮兄弟、ゼロレンジコンバットの使い手という設定だけで、ご飯がモリモリ進みます (・∀・) ウマイ!
雨宮兄弟


あと、達磨一家の日向が寝そべる車が片輪走行して登場したシーンは「斜めになってるー!Σ(゚д゚;)」とビビッたし、爆破される無名街をコブラが女の子と駆け抜けるシーンは非常に迫力がありましたな。そして、思わず涙が出たのがエンドクレジット。SWORDの各勢力の映像を観ていると、「みんな頑張ったネー ( ;∀;) イイハイローダナー」とほだされた気分になって、なんとなくホッコリした次第。ちなみにエンドクレジット後は、バルジという謎の人物のメッセージが出て来て、続編が作られそうなムードでしたよ。


斜めになってたのは度肝を抜かれました。花火を使うアイディアもナイス。
車が斜めに!

コブラが子どもと脱出するシーン、かなりハラハラしましたよ。
無名街、爆破!

一番好きなキャラは、White RascalsのROCKY。新店舗での営業、頑張ってほしいものです。
ホワイトラスカルズ


そんなワケで、勝手に期待しすぎて落胆した面はありましたが、まぁ、楽しかったです (´∀`) ウフフ とは言え、何度も書きますけど、映画としてはアレな出来なので、僕的にはまたドラマでそれぞれの勢力をジックリ描いてほしいなぁ…なんて思っております。つーか、恥ずかしながらスピンオフの「THE MIGHTY WARRIORS」をまだ観てないんですが、財布に余裕がなくて買えないんですよね…。レンタルはやらないのかなぁ… (´・ω・`) オシマイ




まずはテレビシリーズのシーズン1を観るのがオススメ。1話30分×全10話なので見やすいです。



シーズン2の後から繋がる映画版。僕の感想はこんな感じ



雨宮兄弟がゼロレンジコンバットを炸裂させるスピンオフ。僕の感想はこんな感じ



MIGHTY WARRIORSの“出会いの物語”を描くスピンオフ。観たいけどお金が… (´・ω・`)









テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

2017/11/25 21:45 | 映画(2017)TRACKBACK(0)  TOP

チョコレートドーナッツ(ネタバレ)

チョコレートドーナツ

チョコレートドーナツ

原題:Any Day Now
2012/アメリカ 上映時間97分
監督・製作・脚本:トラビス・ファイン
製作:クリスティン・ホステッター・ファイン、チップ・ホーリハン、リアム・フィン
脚本:ジョージ・アーサー・ブルーム
撮影:レイチェル・モリソン
編集:トム・クロス
音楽:ジョーイ・ニューマン
音楽監修:PJ・ブルーム
出演:アラン・カミング、ギャレット・ディラハント、アイザック・レイバ、フランシス・フィッシャー、グレッグ・ヘンリー、クリス・マルケイ、ドン・フランクリン、ケリー・ウィリアムズ、ジェイミー・アン・オールマン
パンフレット:★★★☆(700円/コラム3本はどれもタメになるし、楽曲リストも地味にありがたい)
(あらすじ)
1979年のカリフォルニア。歌手を夢見ながら、ショーパブでパフォーマーとして日銭を稼ぎ暮らすルディ(アラン・カミング)は、客として訪れた検事局のポール(ギャレット・ディラハント)と心を通わせ合い、交際を始める。そんな折、ルディはアパートの隣の部屋に住むダウン症の少年マルコ(アイザック・レイヴァ)が、危険薬物を所持し逮捕された母親のために、施設へと隔離された事実を知る。繰り返されるマルコの脱走に心を痛めたルディは、ポールを説き伏せてマルコを引き取りともに暮らそうと提案する。同性愛の恋人同士であることを伏せ、法的手続きによりマルコの監護者となった二人は、本当の両親のようにマルコに愛情を注ぎ、三人で幸せな日々を送る。だが、周りの反応は冷淡であり、彼らをパーティに招いたポールの上司との衝突で事態は一気に悪化し、ふたりはマルコの養育者と認められず裁判沙汰となる。弁護士の奮闘もむなしく、ルディとポールはマルコとの関係を引き裂かれる。そしてふたたびの脱走を試みたマルコが放浪のあげく悲惨な運命をたどったことをルディは知る。歌手として認められたルディは、愛する者たちとのつながりを引き裂かれた怒りと悲しみとをマイクに叩きつけてゆく。(以上、Wikipediaより)

予告編はこんな感じ↓




80点


※この感想には、超痛い&グロい画像が貼られているので、そういうのが苦手な人は気をつけて!
※今回の感想は、かなり心が狭くて、本作が好きな人は不快になる怖れがあるので、読まない方が良いです。
※今回の感想は、「Farm House」「ヒドゥン」などのネタバレに触れているので、気をつけて!


劇場で観た旧作の感想はあまりアップしない方針なんですけど、いろいろと書きたいことがあったので、適当に更新しておきますね。2014年に劇場で上映されていたころに良さげな評判は聞いていたものの、基本的には“カンフーの達人とムエタイ使いを相手に三つ揃えのスーツを着た男が「サッポーロン!(`Д´)(`Д´)ノヽ(`Д´)」と拳をぶつけ合うようなアクション映画”を好むブログ主ですよ。アッサリとスルーして、仕事や子育てや自慰行為に精を出していたんですけれども(1つアウトな文章)。先月、感想を書くために「ショコラ 君がいて、僕がいる」をもう一度観ておきたくて、鵠沼海岸の”美味しいパンが食べられる映画館”シネコヤに足を運んだ際、本作が「『違う』ということ」というテーマで同時上映されていたので、ついでに鑑賞いたしました。「二つ我にあり… (´・ω・`) ウーン」と思ったり。


「ショコラ」鑑賞パンなどを食べる→本作鑑賞という流れ。席はほぼ埋まってました。
2本立て


まぁ、あらすじに関してはWikipediaを読んでいただくとして、鑑賞直後は「感動した!ヽ(TДT)ノ」のひと言でしたよ。ルディ役のアラン・カミングが素敵すぎるし、その恋人ポールを演じたギャレット・ディラハントも良かったし、何よりもマルコを演じたダウン症の役者アイザック・レイヴァが素晴らしくてね…(しみじみ)。「子どもにとって大事なのは“血縁”ではなく”愛情”」というのは、僕のベストムービーの1本である「隣る人」と共通するテーマであり、鑑賞中はマルコが可哀相すぎて涙が止まらなかったです… (iДi) ウェェェェェ


あーだこーだあって、一緒に暮らすことになった3人。優しい理解者もいるものの、世間の風当たりは厳しく…。
一緒に暮らすことになった3人

あーだこーだあって、ヤク中の母親がマルコの親権を取り戻す→放置→マルコは死亡するのです。
放置されるマルコ

最後は歌手になったアランが「I Shall Be Released」を歌って終わるのでした… (iДi) ウェェェェェ




つーか、日本に比べたらアメリカはまだゲイに対してリベラルなムードがありそうですけど、1979年と言えばハーヴェイ・ミルクが射殺された翌年ということで、まだまだ偏見がモリモリの厳しい時代なワケで(パンフの村尾泰郎さんのコラムによると、ゲイというだけで逮捕されたそうな)。そりゃあ、世間的に「ゲイのカップルが少年を育てる」なんてハードルは高かったのかもしれませんが、しかし。「マルコがヤク中の母親の元へ→母親はまた薬物に手を出して男とセックス→マルコは街を3日間さまよう→野垂れ死に ('A`)」というラストはあんまりすぎであり、あのヤク中の母親にそのクソ弁護士、そして検事局のクズ上司がのうのうと生きたまま終わるなんて、まったく留飲が下がらない!ヽ(`Д´)ノ ということで、今回は「それでも夜は明ける」以来の留飲ダウンシステム(RDSを発動させたのでした↓



<1人目:マルコの母親・マリアンナ>

母親役はジェイミー・アン・オールマンという女優さん。
マリアンナ(ジェイミー・アン・オールマン)

マルコと暮らしていたシングルマザーのマリアンナには、何か事情があったのでしょう。子どもを放置して違法薬物&セックスに耽るのも、貧困の中で辛い現実から逃げたいがゆえと思えば、まだ同情の余地がなくはない。だがしかし、ルディ&ポールという素晴らしい「隣る人」が現れたのに、「母親ヅラしてマルコを奪う→即放置」ってのは、最低最悪であり、この女は死をもって償うべき。検索してみたら「Farm House」というホラー映画でハードに拷問されていたので、その愉快な様子をGIFにしてみたぜッ!(`∀´) ザマァ!

「チーズおろしでヒザ小僧を削られる」というイヤすぎる拷問を受けて絶叫!
「Farm House」で拷問されるジェイミー

「ホラーSHOX [呪] 」さんの記事によると、「Farm House」では保険金のために子殺しをしたそうで、事故死したり、悪魔に嫌がらせをされたりするそうな。
事故死したジェイミー



<2人目:マリアンナの弁護士・ランバート>

グレッグ・ヘンリーが演じております。
ランバート(グレッグ・ヘンリー)

ルディ&ポールと対立するのは、彼の仕事なのだから、まぁ、仕方ない。そのことを憎んでは弁護士という職業が成り立たないものね…と思いつつも! コイツの顔にはゲイへの偏見がアリアリアリアリアリーヴェデルチであり、自分にも子どもがいるくせにマルコに対して1ミリも親身にならない姿勢にムカついて仕方ないので、ジェームズ・ガン監督の傑作グロホラー「スリザー」にて、虫けらのように射殺される場面をGIFにしてお届けいたします (o^-')b オトドケ!

まぁ、「スリザー」では、死ぬことで救われてるんですけどね。
「スリザー」で射殺されるグレッグ・ヘンリー



<3人目:ポールの元上司/州検察官・ウィルソン>

演じたのはクリス・マルケイ。ああん、この場面の憎さ、無限大!ヽ(`Д´)ノ キィィィィ!
バン!

序盤から部下のポールがゲイかどうか怪しんでいて、なかなかイラッとさせられるキャラクターなんですが、コイツへのムカつきが沸騰するのはクライマックス。ルディとポールは優秀な弁護士ロニー(ドン・フランクリン)を雇って、再審で勝てるムード満点だったのに、ウィルソンの妨害工作によって、母親が出所→2人はマルコの親権を奪われるワケですよ。その動機は「単なる意地悪」以外の何物でもなく、上に貼った「指バーン」場面を観た瞬間、あまりの怒りに血液が沸騰して脳がグツグツと煮込まれてしまい、一時は九九が言えなくなったほど。マジで本作のクズ・オブ・ザ・クズであり、ラスト、アランが歌う中で反省ヅラを見せるけどさ、もう“しっかりと大人”なんだし、「やっていいこととわるいことの区別はつくはずだな!(`Δ´)」ということで、日曜洋画劇場あたりで腐るほど観た気がする「ヒドゥン」で景気よく銃撃されるシーンをGIFにしてみたYO!ヘ(゚∀゚*)ノ ホエホエ!

こんな反省した風のオーラを漂わせても、時すでに遅し。
反省した風のウィルソン

警官隊が銃撃→爆破で再起不能(リタイヤ)だ〜(JOJO第三部風に)。
ヒドゥンの銃撃シーン

まぁ、その後はこんな感じになるんですけどね。気になる人は「ヒドゥン」をチェック!m9`Д´) ビシッ
寄生!



さて、驚くほど偏差値が低い方法で溜飲を下げたところで(苦笑)、本作のベースとなった実話はどんな内容だったのかが気になって検索してみれば、元になった話では少年が死んでいないみたいだからビックリ!Σ(゚д゚) ナンデスト! 事の真偽を確かめるべく、仕方なくパンフをネットで購入→監督インタビューを読んでみれば、「ジョージ・アーサー・ブルーム(※脚本家)はブルックリンのアトランティック大通りに住んでいて、近所に住んでいたルディって立派なやつのことを知っていたんだ。ルディが住んでいたアパートに、精神的にも肉体的にもひどい障がいを持った子どもがいて、その子の母親は薬物依存症だった。ルディは何度かその子と過ごすことがあった。ジョージはこのふたりの関係にインスパイアされて、養子縁組についてのフィクションを書いたんだってことだそうで。


ついネットでパンフを買ってしまいましたが…。
パンフ、買っちゃった

どうせならシネコヤで買ってあげれば良かったなぁ。
シネコヤではパンフが700円で売ってました


なんて言うんですかね、「実話から生まれた」のはウソじゃないし、実際にダウン症の少年が街をさまよった挙げ句に野垂れ死んでいないことは喜ばしいし、1979年が舞台ならゲイのカップルが子どもを引き取ろうとしても、こんな悲劇的なオチになる可能性は高いと思いますけど…(要は、差別自体は「あった」のだから)。なんか“ほぼフィクション”と知っちゃうと、意地悪な登場人物たちやマルコが死ぬバッドエンドがスゲー取って付けたように思えてきちゃったりしつつ、「で、でも、素晴らしい映画じゃないか!(`Δ´;)」と擁護したい僕もいたりして。「二つ我にあり… (´・ω・`) ウーン」という複雑な心境に陥った次第。


ということで、僕の心境を代弁する「本部以蔵宮本武蔵の試合を観ていた武道家たち」を貼っておきますね。
二つ我にあり...


つーか、面白いなぁと思ったのは、シネコヤで本作と同時上映だった「ショコラ 君がいて、僕がいる」の方も「実話をベースにしつつもフィクション要素が強い映画だった」ということ。この2本立てのテーマ「『違う』ということ」は人種や性的指向を指しているのかと思っていましたが、もしかすると「映画と現実が違う」という意味でもあったのか…ってのは深読みですかね (´∀`;) エヘヘ まぁ、何はともあれ、鑑賞直後のテンションよりは若干トーンダウンしちゃったけど(苦笑)、観といて良かったです (・∀・) ヨカッタ! 興味がある人なら、観て損はしないんじゃないかしらん。あと、感想の中で引き合いに出した「隣る人」ですが、権利の関係上、DVDになることはないんですけど、公式HPには自主上映会情報が載っていて、例えば東京だと9月23日(土)に上映会&トークセッションがあったりするので、こちらもぜひ!m9`Д´) ビシッ




本作の国内盤サントラ。輸入盤デジタル盤もあります。



なんとなく思い出したハーヴェイ・ミルクの伝記映画。いろいろと勉強になりましたよ。



パンフで河原晶子さんが書かれていましたが、僕もルディはこの映画のダスティン・ホフマンっぽいと思いました。



ただ、監督的はルディは、この映画のダスティン・ホフマンをイメージしたとか (゚⊿゚) ヘー



シネコヤにて、本作と合わせて紹介していた本。読めば良かったなー。







テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

2017/08/01 23:05 | 映画(2017)TRACKBACK(0)  TOP

お嬢さん(ネタバレ)

※本作はミステリー映画であり、ネタバレを知らないで観た方が絶対面白いので、未見の人は読んだらダメでございます!m9`Д´) ビシッ
※今回の記事は、下ネタまみれなので、そういう文章が苦手な方は気をつけてほしいでございます!m9`Д´) ビシッ









お嬢さん

お嬢さん

原題:Ah-ga-ssi/The Handmaiden
2015/韓国 上映時間 145分
監督・製作・脚本:パク・チャヌク
製作:シド・リム
製作総指揮:マイキー・リー
原作:サラ・ウォーターズ
脚本:チョン・ソギョン
撮影:チョン・ジョンフン
美術:リュ・ソンヒ
衣装:チョ・サンギョン
編集:キム・サンボム、キム・ジェボ
音楽:チョ・ヨンウク
出演:キム・ミニ、キム・テリ、ハ・ジョンウ、チョ・ジヌン、キム・ヘスク、ムン・ソリ
パンフレット:★★★★(650円/この公開規模のアジア映画にしては頑張ってる。デザインは素敵だし、コラム2本もタメになります)
(あらすじ)
スラム街で詐欺グループに育てられた少女スッキ(キム・テリ)は、藤原伯爵と呼ばれる詐欺師(ハ・ジョンウ)から、ある計画を持ちかけられる。それは、莫大な財産の相続権を持つ令嬢・秀子(キム・ミニ)を誘惑して結婚した後、精神病院に入れて財産を奪い取ろうというものだった。計画に加担することにしたスッキは、人里離れた土地に建つ屋敷で、日本文化に傾倒した支配的な叔父の上月(チョ・ジヌン)と暮らす秀子のもとで、珠子という名のメイドとして働きはじめる。しかし、献身的なスッキに秀子が少しずつ心を開くようになり、スッキもまた、だます相手のはずの秀子に心惹かれていき……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




93点


尊敬する映画評論家の町山智浩さんが「たまむすび」でまとめて紹介されたほど、3月に公開された韓国映画3本はどれも前評判が良かったりしましてね。で、3月中旬に「アシュラ」「哭声 コクソン」を観て、下旬にやっとTOHOシネマズ新宿で「お嬢さん」を鑑賞したんですが、大好きでした (〃∇〃) ウフフ 4月下旬、シネマート新宿でもう一度観たほどであり、まさか3本の中で一番ストライクな映画になるなんて、思いもよらなかったですよ。


TOHOシネマズ新宿の1番スクリーンは満席状態であり…。
1番スクリーン

シネマート新宿で観た時は立ち見が出るほど。スゴイね!
シネマート新宿


なんて言うんですかね、パク・チャヌク監督作のどことなく奇妙さが漂う世界観やらフェティッシュな作家性やら、女性2人の物語という要素やらカタコトの日本語やら、役者さんたちの熱演やら、すべてがプラスとなって、化学反応を起こしてスパークした印象。まず、映画のように3部構成で適当かつ雑にあらすじを垂れ流しておくと、こんな感じだったのです↓


<第1部:スッキ>

女中として屋敷に潜入する詐欺師スッキの目線で話が進みます。
スッキ(キム・テリ)

女泥棒の娘として生まれ、スラム街で詐欺グループに育てられた少女スッキは、同じスラム出身の詐欺師・藤原伯爵から、「金持ち上月の令嬢・秀子をオレに惚れさせて駆け落ち→資産だけブン取って精神病院に入れちまおうぜ!(`∀´) フハハハハ」なんて計画を持ち込まれて、やる気マンマン日曜日だったのですけれども。お嬢様ったら世間知らずで可哀相…というか、少しずつ好きになってきちゃって…。「キスってどうすればいいの?」なんて聞かれたから、ええいままよとやってみたら、セックスに発展しちゃって、秀でた美しさでございますッ!川*゚∀゚)=3 ムッハー とは言え、やっぱりお金はほしいからと、藤原伯爵の駆け落ち計画を渋々進めて、ああ、このままお嬢様は精神病院に入れられちゃうのだわ、アタシどうしよう…なんて思っていたら、秀子ではなくスッキが精神病院にブチ込まれてしまうから、ちくしょう、なんて女だ!Σ(°д°;し ダマサレタ!

コイツが藤原伯爵。彼が立案した詐欺プランに乗ったものの、スッキはお嬢様を好きになってしまって。
藤原伯爵(ハ・ジョンウ)

性の知識がないお嬢様に手ほどきしたりしてね。
初夜はどうするの?

ところが、最後はスッキが精神病院に入れられるからビックリですよ
精神病院に収容されるスッキ



<第2部:秀子>

次は秀子目線で話が語られるのです。
秀子(キム・ミニ)

母親が死に、韓国に住む“金持ちな叔父”上月と一緒に暮らすことになった秀子でしたが、チンコだマンコだとエロ小説を朗読させられる虐待生活に突入。しかも「チンコ (´∀`し ウフフ」なんて少し笑ったぐらいで叔母ともども暴力的な仕打ちをされる上に、なんか秘密の地下室でハードな目に遭いそうなムードがムンムンだったりするので、「チンコ (`・ω・´し キリッ」と真剣に取り組むエブリデイ。自分の前に朗読を担当していた叔母の自殺を経て大人になった秀子は、変態金持ちどもを相手にエロ小説を朗読する日々を送っていたところ、藤原伯爵が登場して、「ビジネスとして私と駆け落ちして、あなたの資産を山分けしましょう ( ̄ー ̄) ニヤッ」なんて提案をしてくるから、その話、乗った!m9`Д´し ビシッ

幼いころからエロ小説を読まされる秀子。
朗読の練習中

しかも、逆らうと容赦ない仕打ちが待っているから地獄なのです。
顔を掴んでグリグリ!

そして成長すると、芝居を交えながら立派に朗読できるようになり…。
変態貴族相手の朗読

変態貴族たちも大満足なのでした。
変態貴族たち

その計画では「アホな女中を身代わりにして精神病院にブチ込む→自分は自由の身になる」という予定なので、今までいた女中を解雇して、藤原伯爵プロデュースのスッキが来てみれば、“自分では頭がいいと思っているマヌケ”だったから、ヤレヤレ(苦笑)と思いながらも実は性格が良い素直な子で、アタシのことを大事に想ってくれそうだし、少しずつ好きになってきちゃって…。「キスってどうすればいいの?」なんてカマトトぶってみれば、セックスに発展しちゃって、秀でた美しさでございますッ!川*゚∀゚)=3 ムッハー

この場面、性の知識まみれなお嬢様の擬態だったというね。
初夜はどうするの?

もうスッキがずっと側にいてくれるなら、藤原伯爵との駆け落ち計画なんてどうでもいいの…なんて思ってみたら、スッキは「伯爵と結婚すべきです… (`Δ´;し」なんて計画の実行を最優先するから、「絶望した!川TДT)ノ」と叔母のように首吊り自殺を試みてみれば、スッキが泣きながら「死なないでぇ〜!ヽ(TДTし」と止めにきて。「私はお嬢様を騙そうとしてたんです… (ノω・、し」「あら、私こそアナタを騙そうとしてたのよ 川´∀`) オアイコネ」なんて「走れメロス」ライクな和解を経て、第3部に突入だッ!川`Д´)人(`Д´し ウォォォォォッ!

こうして和解した2人が反逆の狼煙を上げるという燃える展開!
私を騙したつもり?



<第3部:解放>

この2人による「藤原伯爵の裏をかく計画」がスタートいたします。
騙し合う2人

スッキと秀子は密かに詐欺師グループと連絡を取って、スッキは彼らの力で精神病院を脱出。その間、秀子はアヘン濃縮液を使って藤原伯爵を眠らせる→金を奪って、スッキと落ち合いまして。上月の追っ手に囚われた藤原伯爵は、秘密の地下室で指を切り落とす拷問を受けるも、水銀入りのタバコを吸うことで、気化した水銀で上月を退治&自分も死にましてね。そのころ、自由の身になったスッキと秀子は、鉄製のプレジャーグッズを使って、すっかりお楽しみなのでした… 川〃∇〃)(〃∇〃し ウフフ

藤原伯爵は、秀子にアヘン入りワインを飲まされてしまい、地獄へ直行エンド。
アヘン入りワインを持って藤原伯爵のところへ

最後はこんな感じで終わってましたよ。
幸せな2人



大雑把に好きなところを3つ挙げると、1つ目は「女性たちが解放される物語」として楽しかった。本作の原作は「このミステリーがすごい! 2005年版」の海外部門で第1位になったサラ・ウォーターズの「荊の城」なんですが、舞台を19世紀半ばのイギリスから日本統治時代の韓国に移しただけでなく、第3部は原作と異なる展開にしたそうで。僕は未読なので、原作がどういうオチなのかは知りませんが、最後が2人の濡れ場で終わることに関して監督はパンフでこんなことを仰っていて↓


( ´_ゝ`)
メイルゲイズ、男性視点で撮ってはいけないと、自らを検閲しながら撮っていました。
とはいえ、女性の体の美しさ、女性が快楽を楽しむことに対する賛美を惜しまず、
ポジティブなものとして捉えたかった。
私は原作を読んでいた時から最後は濡れ場で映画を終えたいと思っていました。
というのは、秀子は子どもの頃から性的に強い搾取を受けて成長してきた女性だから。
最後は男性の視線にさらされる対象、男性が好む物語を朗読する女性ではなく、
好きなことをし、快楽を追求する形で終わらせてあげたいと思いました。
それが私からの秀子へのプレゼントです。



「監督ったら優しい… (ノω・、)」と思ってね…(しみじみ)。時代や社会から虐げられてきた2人の女性が愛する人を見つけて(特に秀子の「私の人生を壊しにきた救世主」という台詞が泣ける!)、イチャイチャして終わるラストは多幸感に満ちていて。なんて言うんですかね、ハッピーエンドの「テルマ&ルイーズ」を観た気分というか。とは言え、世の「濡れ場」というものは、僕や「濡れ場ンディアス」こと2代目しまおまほさんのようなゲスな男性客から「おやおや、百合ですな (・∀・) ニヤニヤ」なんて目線で消費されるシーンでもあるワケですが、この点でもパク・チャヌク監督がよく考えているなぁと思ったのは、2人がセックスに使用するプレジャーグッズですよ。


鉄製の鈴なのです。
鉄製の鈴


「映画の中盤で叔父の上月が幼いころの秀子を虐待するために使っていた“恐怖の象徴”が、2人の喜びを繋ぐアイテムに変わる」という流れが見事なだけでなく(たぶん別物ですが、形状が似てるのはそこを意識していると思う)。ごめんなさい、他の男性がそう思うかどうかは別として、僕は「お…大きい… (`Δ´;) ヌゥ」とドン引きしたのです。僕が装備する愚息の大きさがアイスランドにおける「法的な長さ」をクリアしているかどうかは置いといて(苦笑)、あんなのが女性器やアナルに入るんですか? いや、子どもが生まれる場所だから女性器はまだ大丈夫だとしても、アナルは結構ハードル高いんじゃないですかね?(痔になるどころかマジで裂けるよね?) まぁ、何はともあれ、僕はあの大きい鈴を見せられて、「お前のような粗品野郎はお呼びじゃないのよ!川`∀´)川`∀´) オホホホホホ」と言われているような気がして、胸が痛くて男性目線で消費するどころじゃなかったーーって、どうでも良いですかね。


ここまで読んだ方の心を代弁する曲を貼っておきますね↓




2つ目は、藤原伯爵の描き方。そりゃあクズな詐欺師ではあるものの、貧しい出自から成り上がった苦労人であり、本当は秀子のことを愛していたんですよね。ただ、人を騙し続けてきたゆえに、素直な想いを伝えられなくて。秀子自身はレズというよりは「“自分を心から愛してくれる人”を愛しただけ」であって、彼の「『若干好き』発言」や「スッキへの情のなさ」がなければ、結ばれることはなくとも、上月に引き渡されるような目には遭わなかったと思うのです。ただ、あの「若干好き」的なアプローチって、バカな男はやりがちじゃないですか。

実は僕も初めて好きな女性に告白する際、防衛本能から「た、たぶん僕は君のことが好きだと思うんだけどさ… (´∀`;)」なんて、腰の引けたトークを繰り広げてフラれてましてね…(遠い目)。世の中には「恋愛工学」なんてアホな思想が出回っていたりするワケですが、奥さんを含めて7人の女性と恋愛した(そして6人にフラれた)僕の経験則から言えば、小手先で“愛”は獲得できないというか。テクニックや理論じゃなく、「“気合い”の入った“硬ェー拳”が強ェーンだよ」ということがよくわかる展開だったなぁ…と思ったんですが、我ながら伝わりにくい文章を書いたことは十分自覚しております (´Д`;) スミマセン


「疾風伝説 特攻の拓」の好きなコマを貼っておきますね。警察時代、鵜呑みにしたら、パンチが全然当たらなくなりました。
“気合い”の入った“硬ェー拳”が強ェーンだよ


終盤の藤原伯爵も味わい深くて。騙されたのに恨み言を一つも言わないの。死地へ連行される車内で「普通のタバコ」を全部吸って「後の惨劇」に備えるのが渋いし、拷問も受け入れるムードもカッコ良かった。「水銀入りの青いタバコ」を吸って死にかける時、最後に思い浮かべるのが秀子というのも「彼女のことが本当に好きだったんだなぁ」というのがわかって、クソ野郎ながらもグッときたりしてね。ラスト、上月を道連れに死ぬ際に残した「死ぬ前にチンポを守れて良かった… (´・ω・`)」という台詞は、「ナイスガイズ!」「でも即死だったから大丈夫!(o^-')b」に並ぶ名台詞であり、「良かったネー (ノω・、)」と涙が止まらなかった男性観客は僕だけじゃなかったと思うし、そんな目に遭いながらも「史記」を編纂した司馬遷の偉大さをあらためて噛み締めた次第。


拷問に耐える藤原伯爵。チンコを切られる寸前で死ねるのでした。
拷問される藤原伯爵

なんとなく宮刑を受けた司馬遷を貼っておきますね(「史記」より)。
宮刑を受けた司馬遷

なんとなく「最強ロボ ダイオージャ」のED曲を貼っておきますね↓


最強ロボ ダイオージャ ~ ヨカッタネ宇宙 投稿者 retudou


3つ目は、何とも言えない奇妙さが面白かった。和洋折衷の独特な美術に、韓国の俳優たちが語るカタコトの日本語&「チンポ」「マンコ」といったダイレクトなエロ単語の数々(監督的に日本人が違和感を感じるのは織り込み済み)、日本の変態富裕層を相手にしたエロ小説の朗読会という設定、官能小説の挿絵を再現する装置などなど、江戸川乱歩先生の小説を映像化したような、淫靡かつダークでありながらもどこかユニークな世界観は最高としか言いようがなくて。終盤の拷問シーンにしても、葛飾北斎の「蛸と海女」を意識したタコの水槽や、切断された性器などのホルマリン漬けが展示されている“秘密の地下室”描写が100点なのはもちろんのこと、「本の裁断機で指を切断する」というハードな内容にもかかわらず、不思議と愉快なムードが漂うのがスゲェなぁと(親指の切断には少し時間が掛かったりするあたりの細かさが好き)。藤原伯爵が初夜の様子を聞きたがる上月に言い放つ、「こら、貴様! 人の妻の初夜の様子を聞く奴があるか!( ゚д゚)」の叱責とか、笑っちゃいましたよ。


失われた挿絵を再現すべく、木偶と宙づりになる秀子。「なにこの装置」と書かざるを得ないビジュアルなのです(でも好き)。
挿絵の実演

指を裁断するって相当残酷なのに、上月を演じたチョ・ジヌンのチャーミングさもあって、どことなく愉快だったり。
指を裁断!


ちなみに一番好きだったシーンは、スッキと秀子が初めてセックスをする場面。「キスってどうやってするのかな… (´・ω・`し」「仕方ない、教えてあげますよ 川´_ゝ`)」的な展開って、エロ漫画で腐るほど目撃し、何度となくオカズにしてきたワケですが(サラリと赤裸々な告白)、それの実写版としてムラムラした…というワケではなく。貝合わせ中の2人が心を通わせた瞬間に固く交わす握手のあまりの熱さに感動した。あの喜びの瞬間の力強さには驚いたというか、僕の中の「ベスト握手」だった「プレデター」のカール・ウェザース×アーノルド・シュワルツェネッガーに勝るとも劣らないと思ったり。


2人がここからエスカレートして貝合わせした時の握手は…。
結ばれる2人

「プレデター」のこの握手級の力強さがあったというのは、決して大げさではないのです。
カール・ウェザースとシュワルツェネッガーの握手

あと、誰もが思うところだし、監督も一番力を入れたそうですが、風呂で歯を削るシーンは超エロかったね (´∀`=) エロイワー
官能的なお風呂シーン


唯一の不満を書いておくと、映画を見終わってみれば、第1部の最後にスッキがナレーションで「騙しやがったな!」みたいなことを言うのは変だと思った程度(スッキもすべて知っていたワケだから“内面の声”で言うのは違うのでは)。役者さんたちは全員素晴らしかったし(ほぼ“良く見る人たち”ではあったけど)、大好きな映画でした (〃∇〃) ウフフ こういう虐げられていた人たちが知恵と正しい心で勝つ作品っていいなぁと。そして、奥さんとのセックスレスが7年目に突入しているということでね(苦笑)、唐突に本音を書くと、僕もセックスがしたい…セックスがしたいです… (ノω・、) ナニコノオチ




サラ・ウォーターズによる原作小説。第3部の展開が違うって、気になりますな。



サントラでございます。秀子バージョンもあるのです。



パク・チャヌク監督の前作。僕の感想はこんな感じ



なんとなく連想したリドリー・スコット監督作。ブラッド・ピットがカス役の映画にハズレなし(暴論)。



もうすぐBlu-rayも出るのでした。








テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

2017/05/17 23:59 | 映画(2017)TRACKBACK(0)  TOP

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