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ドリーム・ホーム(ネタバレ)

ドリーム・ホーム※この記事は、2011年6月6日にアップしたものです。

ドリームホーム

原題:Dream Home
2010/香港 上映時間96分
監督・原案・脚本・製作:パン・ホーチョン
脚本・ラインプロデューサー:デレク・ツァン、ジミー・ワン
出演:ジョシー・ホー、イーソン・チャン、デレク・ツァン、ローレンス・チョウ、ジュノ・マック、ミシェル・イェ
(あらすじ)
香港の象徴的な景観として知られる美しいビクトリア・ハーバーが見える湾岸エリアにある高級高層マンション「ビクトリアNo.1」。ある晩何者かが管理人室に忍び込み、居眠り中の警備員を絞殺する。ほどなくマンションの住民に対しても血の惨劇が繰り返されるが、その犯人の正体は金融機関に勤める普通のOL、チェン(ジョシー・ホー)だった。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




82点


※今回の記事は、かなり残酷な表現の文章が書かれてたり、グロい画像が貼られてたりするので、そういうのが苦手な人は読まない方が良いです。

積極的にホラーを公開してくれる素敵な映画館のシアターN渋谷がかなり推してる感じだったので、観てきました。感想は、予想以上に面白かったですよ! やっぱりR-18指定の残酷映画は良いですな~。正直、真魚八重子さんの記事とか深町秋生さんの記事とかを読めば十分なんですが、僕なりに駄文を書き残して置きますね。

この映画、殺人鬼と化したヒロイン・チェンの凶行が容赦ない上に残酷描写も結構リアルかつハードなんですが(でも、過剰な感じはしない)、そこにユーモアがほのかに漂ってるから、いくらでも食べられちゃう感じなんですよネ (・∀・) さらに自らも傷を負いながら殺人を繰り返していくので、そんな彼女を応援したい心境になってくるという不思議。


ケガをしても積極的に殺人を続けるチェン。「ホテル代をケチるクズ男と不倫中」という設定も涙を誘う…。
傷を負うヒロイン


しかも、演出もなかなか気が利いてるんですよ。例えば、「メイドの後頭部をドライバーで刺す→目玉が床に飛び出す!→帰宅した夫がそれを踏む」という感じで“立てたフラグ”は丁寧に回収してくれるわ、「後背位でセックス中の男の背後からピストン運動と連動して包丁で突きまくる→男性器を切断して大量の血が出ると、背後が見えない女性は射精と勘違い→その後、切除した男性器を目の前に投げられて絶叫!」とか、観客が「こうならないかなぁ (・∀・)ワクワク」と思ったことは高確率で実行するわと、今までまったく知らなかったけど、パン・ホーチョン監督は信用できる男だと心から思いました。切断された指がレコードをスクラッチしたり、結束バンドを窒息させるために使うだけではなく応急処置にも使ったりとか、作品の端々に細かい気遣いが感じられたのもうれしかったなぁ。


背後からグサーッ! ちなみに切りとられた性器はモザイクなしでした。
後ろから刺殺!


正直、僕の奥さんが来月出産予定ということで、序盤の妊婦がお腹から倒れて破水するシーンは本当に恐ろしくて。さらに布団圧縮袋で窒息死させられるシーンもマジで厳しかったんですけど、その後の被害者は浮気夫やチャラチャラした若者たちなので、基本的には愉快に観られました。過去の回想シーンが冗長だったりもするんですけど、それも大量殺人を犯すまでに至る“チェンのマイホームへの執着”を描くためだと考えれば仕方なしですな。


布団圧縮袋で殺されるセレブ妊婦。隣室に内覧に来たチェンに「旦那が不在の時が多い」と知られたばかりに…(ノДT)
真空パック!


あと、物語自体も予想がつかなくて楽しかったです。騒音苦情として警官が2人やってきたシーンは「どうするんだろ(°д°;)」とドキドキしましたが、まさかあのタイミングで“口内にベッドの羽目板を思いっきり突き刺された女性”が包丁で襲ってくる→同士討ちになるとは…。ヒロインの犯行動機も「値段を吊り上げられてマンションが買えなくなって逆上したのかしら?」とか思ってたら、「実はマンションの価値を落とすためだった!」ってのも面白かったし(チェンがわざわざ階上の若者たちを殺したのは、自分が居住した後に騒音で苦しまないためですよね?)、最後の「サブプライムローン問題のアオリを受けてマンションの価格が急落→わざわざ殺人を犯す必要はなかった…」というオチもよく考えられてると感心しましたよ。念願のマイホームを手に入れて狂熱が冷めた彼女がそのニュースを聞く表情も素晴らしかったです。


警官来襲! 2人とも残念な死に方をします。
警察襲来!


腹を裂かれて腸が出た男が思いのほか長生きして愉快だったりとか、とにかくツボに入るシーンが多い映画でしたね。残酷描写と笑いの融合感は今年観た「冷たい熱帯魚」を思い出したんですけど(両監督が対談してますな)、最後まで観ると“話の畳み方の絶妙さ”から「ホステル」を連想したりして(内容自体は全然似てませんが)。不満を挙げると、チェンと不倫してた男が酷い目に遭わなかったのが残念だったくらいかなぁ。何はともあれ、オッパイも景気よく出てくるし、スラッシャー映画が好きなら、ほとんどの人が満足できる作品だと思います。

ちなみに「映画秘宝 2011年 07月号」にパン・ホーチョン監督のインタビューが載ってるんですが、「もともと自分が『どうしていつまでマンションが買えないんだっ!』っていう思いから生まれた」「大工道具を凶器に使うのは風刺」「ホラーである以上、途中で女の裸を入れなきゃ駄目だって決意した」など、非常にタメになる&信用できる発言が目白押しなので、気になる人はそちらも要チェックですぞ!




パン・ホーチョン監督作。「ドリーム・ホーム」とは全然違う作品みたいですが、評判はかなり高い様子。



園子温監督作。僕の感想はこんな感じ



イーライ・ロス監督作。内容は全然違うんですけど、“読後感”が似てたというか…。

テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

2011/06/06 18:51 | 映画(2011)TRACKBACK(0)  TOP

ジャッカス3D(ネタバレ)

ジャッカス3D※この記事は、2011年5月9日にアップしたものです。

ジャッカス3D

原題:JACKASS 3D
2010/アメリカ 上映時間94分
監督・製作:ジェフ・トレメイン
製作:スパイク・ジョーンズ、ジョニー・ノックスヴィル
出演:ジョニー・ノックスヴィル、バム・マージェラ、スティーヴォー、クリス・ポンティアス、ウィーマン、プレストン・レイシー、ライアン・ダン、デイヴ・イングランド、スパイク・ジョーンズ
(あらすじ)
リーダーのジョニー・ノックスヴィルをはじめ、イタズラ好きなジャッカスのクルーたちは、観客にウケるためなら手段を選ばない。ハイタッチにバッファロータックルなど、超危険かつおバカな技を日々飽きることなく磨き続ける。仲間同士でも気を抜くことは許されず、油断しているととんでもない目に遭うことになる。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




96点


※今回の記事は、下品な下ネタ、排泄物や吐瀉物について書かれた文章がかなりあるので、そういうのが苦手な人は間違いなく読まない方が良いんですけど、この「ジャッカス3D」自体は非常に面白い映画なので、排泄物や吐瀉物に耐性がある人はぜひ観に行って!

まず、「ジャッカス」について知らない人はwikipediaを読んで、今回の予告編やらこの動画とかを観れば、ある程度は分かるんじゃないでしょうか。「JACKASS」って言葉は「バカ」とか「マヌケ」って意味らしいですけど、僕的に彼らの突き抜けっぷりはもう“狂人”にしか見えないというか(良い意味で)。

そもそも僕はいわゆる“坊主頭のガチムチ系”ということで、見た目こそワイルドに見えなくもないですけど、思春期を迎えてからオナラはトイレでする残念な男だったりしますからね…。そんな僕からすると、どんな危険も顧みず、全裸になったりウンコまみれになったりしても気にしないほどワイルドであり、どんなイタズラをされても笑い合い許し合うほど男気まみれの彼らはね、やっぱり憧れてしまうワケですよ(近づきたいとはまったく思いませんが)。

ただ、今まで映画館では観たことがなくて。だって、やることが恐ろしくエグいのだもの… (´・ω・`)  小便をかけたカキ氷を食べるとか、ウマの精子を飲むとか、ガチで吐きそうになったし…。彼らのバカバカしいチャレンジの数々は凄まじく笑えるんだけれども、ちょっとキツくもあって、今までは劇場で拘束されながら観る気は起きなかったんですよね(DVDだと中断できる)。

でも、今回は3D。劇場でしかそのスゴさを味わえないということでね、渋々新宿ミラノ2に行ってきたんですが、吐きそうになりつつも今年に入って一番笑いましたよ。

「ビーバス&バットヘッド」のくだらなすぎる3D解説の後(そういえばマイク・ジャッジはケツに風を送り込ませられてましたな)、映画は始まるワケですが、「指の間を紙で切る」とか地味にバカなことをやっていたころを考えると、ずいぶん派手にパワーアップしましたよね。3D&スーパースローで観るハイクオリティのバカ映像ってのはマジで面白かったです。オナラを自在に出せる男がケツに差したぴろぴろ笛の紙筒がこっちに伸びてきたり、大量のディルドやゲロやウンコが~って、これほどまでにバカバカしい3D映像はいまだかつてないというか。これだけでもマジで観る価値はあると思いました。

まぁ、基本的にはバカな人体実験やイタズラが次々と挿入されるだけの作りであり、あーだこーだと中身を書くのも面倒くさいので、あまり書きません。というかね、正直、もう内容がよく思い出せないんですよ…。本当にくだらなさすぎて、爆笑はしたんですけど、まったく心に残らないというか。あ、男性器にギブスをして、それをキツツキに突かせる映像がほのぼのしてなんか好きでした。

とは言いつつも、やっぱり吐きそうになったシーンだけはバッチリ覚えてて。尻を火山に見立てて大量のウンコを“噴火”→「口に入った!ヽ(;´Д`)ノ」とか、「仮設トイレを使ったバンジージャンプ→中がウンコでシェイク状態に→トイレから糞尿の霧雨が!」とか、笑いつつもキツかったんですけど、一番もどしそうになったのは“汗カクテル”。「デブのプレストン・レイシーの汗をコップに溜める→それをスティーヴォが飲む→嘔吐」というシーン。ウンコとかと比べると生やさしそうに感じるかもしれませんが、僕が観た回では、周囲の席からえずく音が結構聞こえてきて、トイレに行く人もいました。僕も“例え”ではなくガチで吐きそうになりましたよ…。スティーヴォは笑いのために“背中に自分の顔を刺青している”という筋金入りの男ですが、あらためてそのスゴさを感じましたね。

終盤になると、もう普通に「仲間にいきなり小便をかける」とか、いちいち「バカじゃないの?」と突っ込むのも面倒くさくなってくる域に達してきて。最後は、セットが爆発しまくった後、大量の水で流される→お馴染みのリップ・テイラーが出てきて「津波だな」とか言ったりして(これで公開が延期になったのかしら)、本編で使われなかったバカシーンを流しながらエンドロールで終了してました。

僕的には「“ある方向”での究極の男の姿がここにある」と思うんですよね。どんなイタズラを仕掛けても受けきって笑いにするという姿勢、僕は本当に無理というか。例えば、どんなに気心が知れてる人だろうと、いきなりイタズラを仕掛けられたら、ブチ切れてぶちのめすか、普通に「いじめられた!ヽ(TДT)ノ」って泣きながら帰ると思うんですよね…。奴らはチンコを叩き合うのが大好きなんですけど、たぶんそれもやられた瞬間、「テメェ! ヽ(`Д´)ノ」ってキレるか、「触られた… (ノ_・。)」と泣きながら帰るというか…。

いや、彼らだってそういう時はあるんでしょうけど(メンバーがガチでキレたりすることもある)、基本的には「そうなったら負けだ!」と思って、常に「バカ」を演じきっているんですよ。そこが本当にスゴい。あと、あのバカなスタントの数々だって、笑いがなければ「チョコレート・ファイター」のエンドロールみたいな状況ですからね。簡単そうなヤツを1回くらいなら思い切って出来なくもないかもしれないけど、奴らはそれを何度も何度もやっているワケで、僕的には「餓狼伝」に出てくる志誠館の雄・片岡輝夫さんに通じる高度な精神性を感じましたよ。


片岡さんの有名なお言葉。そう言われても、なかなか実践できませんよね…。
片岡さん


ということで、適当なことを書いちゃいましたが、僕的には「アバター」並みに3Dで観た方が良い映画だと思いましたよ。今月27日にはもうブルーレイやらDVDやらが発売されるみたいですけど、この映画に関しては、断然劇場で3Dで観るのがオススメですね。ただ、何度も書いてますけど、マジで吐きそうになったりするので、それだけは要注意ですゾ。




伝説のテレビシリーズ。真似した死者も出たそうな。



テレビシリーズの未公開映像を収録したらしいDVD。未見なんですよね~。



記念すべき映画化1作目。オープニングとエンディングが一番好きかも。



映画2作目。馬の精子シーンは本当に思い出したくない…。



2作目に未収録の映像集。ユルユルだけど、インタビューが面白かったです。



今月の27日には発売されるそうで。でも、3Dで観といた方が良いヨ!



3作目に未収録だった映像集。ちょっと興味あります。

テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

2011/05/10 00:52 | 映画(2011)TRACKBACK(0)  TOP

ビー・デビル(ネタバレ)



ビー・デビル※この記事は、2011年4月2日にアップしたものです。

ビーデビル

原題:BEDEVILLED
2010/韓国 上映時間115分
監督・脚本:チャン・チョルス
出演:ソ・ヨンヒ、チ・ソンウォン
(あらすじ)
ソウルで働く独身の女性ヘウォン(チ・ソンウォン)は、抱えているさまざまな問題を忘れるために人口たった9人の美しい弧島へ。そこで、純粋で人のいい幼なじみ、ボンナム(ソ・ヨンヒ)と再会する。しかし、ボクナムは夫や住民から奴隷のように扱われ、果てには男の相手をさせられていた。何とか島から抜け出そうとするボンナムだったが、ある日、悲劇が起き……。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




92点


※今回の記事には、かなり不快な表現が書かれているので、そういうのが苦手な人は読まない方が良いです。
※最近、どうも文章がダラダラと長くなってしまって…。すみません。


シアターN渋谷で観てきたんですけどね、スゲー非道い映画でしたよ… (ノДT)


ちなみにこんな感じの展示がありました。
シアターN展示


まず、ちょっと作品内容とは関係ないことを書きますね。実際に調べるのは面倒くさいので、あくまで僕の印象でしかないんですけど、最近、500円のパンフレットって内容がかなり充実してませんかね? 400円だと“関係者用プレスのまんま”って感じなんですけど、値段が100円上がった途端、グッと費用対効果が上がるというか(気のせい?)。

今回の「ビー・デビル」のパンフレットは、紙はペラペラだし、「プロダクション・ノート」とかはないんですけど、監督インタビューやコラムがしっかり入ってて、かなり読み応えがあるんですよ。映画秘宝の田野辺尚人さんや映画ライターの岡本敦史さんの記事も非常に素晴らしいんですけど、僕的に良かったのが真魚八重子さんのコラム。ハッキリ言って、ここに自分の感想としてサラッと転載しておきたいくらい良かったです。映画を観た人は必読ですぞ!

で、感想なんですが…。僕は「女性や子どもが非道い目に遭う映画」って得意じゃないんですけど、この映画はモロにそんな感じでして。オープニング、不良たちの女性への暴行シーンから始まるんですが、劇中ではずっとイヤ~なムードが流れていて、中盤からは怒りのあまり、席で悶絶しながら観てましたよ。

主人公のヘウォンは銀行員なんですけど、無慈悲に老婆からの借り入れを断ったりとか(「スペル」っぽい)、暴行事件の目撃証言にも「暗かったから…」と全然積極的じゃなかったり、老婆に便宜を図った後輩を罵ったりと、基本的に好感が持てない感じ。勘違いから後輩にビンタしたことで(恐ろしく浅はかな名シーン!)、上司に休暇を取らされまして。あまりにヒマだから、幼いころに過ごした“無島”に向かうワケです。


常にイライラしていて、いけ好かない感じのヒロイン・ヘウォン。
イヤな感じのヒロイン


無島には、ヒロインのことを親友だと思ってるボンナムとその娘、夫とその弟&母親、老婆3人組、もうろくした爺さんの合計9人が住んでいるんですが、まぁ、すでに不穏な空気が充満してまして。話が進むと、ボンナムはこの島では家畜並みの扱いであり、精神的にも肉体的にも虐げられていることが分かるんですが(常にイヤミを言われながら、日常的に暴行を受けたり、義理の弟にも抱かれていたりする)、不快で不快で仕方がなかったです。特に娘のヨニが夫から性的虐待を受けていることが明らかになったシーン(しかも娘はそれを「愛されている」と思ってる…)では、マジで吐き気がしました。

ヨニが性的虐待をされていると知ったボンナムは、ヘウォンに「ソウルに連れてって!」とすがるんですが、ヘウォンは「そんなウソをついて恥ずかしくないの!」とキレまして…(冒頭の借金を頼む老婆への対応と同じ感じ)。結局、ボンナムは夫が呼んだ時に知り合った“親切な風俗嬢”にお願いして、ヨニと脱出を図るんですが、渡し守の裏切り(というかグル)で失敗。ボンナムは暴行されるワケですが、それを止めようとしたヨニは夫に振り払われて、石に頭をぶつけて死んでしまうんですね…。


あまりに可哀想すぎる運命のヨニ。「お母さんが殴られる方がイヤだ!」というシーンでは涙…。
死んじゃう女の子


人が死んだらさすがに警察が来るということで、刑事っぽい人が1人だけ来るんですけど、当然ながらみんな口裏を合わせるという腹立たしさ。ヘウォンも聞かれるんですけど、「寝てたから見てません (`・ω・´) キッパリ」って返答をし、ボンナムは絶望的な表情を浮かべるワケです。僕はこの場面、「まぁ、実際に寝てたんだろうし、仕方ないけど、もうちょっとフォローしてやれよ」と思ったんですが…。

翌日、ブチきれたボンナムは鎌を持って大量殺戮を開始。もう僕的に気分は「やっちまえ!ヽ(`Д´)ノ」一色ですよ。姑が殺されるあたりとか、スゲー気持ちイイ! さすがに夫は手こずったけど、口で刃物を舐めて油断を誘い、指を噛みちぎってから、「刃物を口にくわえて刺し殺す!」という妙技で退治した時は (°∀°)b グッジョブ! と心から感心。最後、旦那を味噌漬けにするのも気が利いてました(場内では笑い声が)。結局、もうろくした爺さん以外の島の住人はみなごろしにされてましたね~(卑劣な渡し守含む)。


拘束された状態で刃物を舐めるボンナム。ドキドキするシーンですぞ。
刃物を舐めろ!


死体を味噌漬けにしたのは、夫が暴力を振るった後、「味噌でも塗っとけ」と言っていたのが由来。
味噌まみれ


ヘウォンはそんな惨状から何とか逃げて、本土の警察に保護されるんですが…。夢の中で「実はヨニが死んだ時、ヘウォンはその現場を目撃していた」ことが明らかになりまして。僕は「だから、彼女が証言した時にボンナムは絶望的な表情になったのか!」と心からビックリ&納得しましたよ。

劇中で何回か“過去の2人のシーン”が流れるんですが、ボンナムは幼いころにヘウォンに優しくされた思い出や「ソウルに連れて行ってあげる」という言葉を支えにして生きてきたんですね。娘の存在も大きかったと思いますが、笛を教えてもらった時、彼女からキスをされたことがうれしかったからこそ(ちょっと違うけど「車輪の下」を思い出したり)、“愛”というものを信じて日々の暮らしを耐えられたところもあると思うんです(まぁ、ヘウォンの方は小さいころから「島の悪ガキたちが襲ってきた時、身を挺してかばったボンナムがイタズラされるのを“見て見ぬフリ”してた→ポンナムに特に思い入れはなかった」んですが…)。だから、彼女は悪ガキたちに折られた笛も“2人を繋げたアイテム”として大事に取っておいたりしてたんですよ。

ところが、ここにきてその支えだったヘウォンに見て見ぬフリをされちゃったら、愛情が憎しみに変わるのも無理はないじゃないですか。というか、よく「傍観者も同罪」的な言葉があって、それはそれで言い過ぎな気もするけど、でも「傍観」も罪だと思うんですよ。邦題は「ビー・デビル」ということで、ポンナムは確かに“殺人鬼=悪魔”になってしまったのかもしれませんが、そこまで追い込んだ傍観者のヘウォンの方が“外道”に見えちゃうんですよね…。


「デビルマン」より。ポンナム的にはこんな気持ちだったと思います。
外道!


慣れない化粧(かなり不気味で、正気を失ってる感アリ)&ワンピース姿のボンナムはすっかり怪物化していて、別の渡し船で本土に上陸し、ハンマーを持って警察の施設を襲撃!(交番っぽい感じ?) ヨニが死んだ時に来た刑事っぽい人も殺して、ヘウォンを追い詰めるんですが…。


不謹慎ですが、この人が股間をハンマーで一撃されるシーンは、場内爆笑に包まれてました。
可哀想な刑事


結局、ボンナムはヘウォンを殺せないんです。ヘウォンに折れた笛で首を刺されて致命傷を負うんですが、死を悟って“険”がとれたボンナムはヘウォンに膝枕をしてもらうような形で寄りかかり、「笛を吹いて」とねだるんですね…。ヘウォンもさすがに“人として残念かつ非道だった自分”に気付いて、泣き崩れるワケです(これによってボンナムも多少は救われたと思う…)。


号泣必至のラストシーン!
笛を吹くラスト


すっかり反省したヘウォンは、「もう見て見ぬフリなんてしないわ!ヾ(。`Д´。)ノ」とばかりに、警察に行って暴行犯の目の前で「アイツです!」と証言(極端!)。服を着たままシャワーを浴びたあと(頭を冷やす的な意味?)、読まずに捨ててたボンナムからの手紙をゴミ箱から拾って読むと、どの手紙も「愛するヘウォン」「会いたい…」的な内容でしてね・°・(ノД`)・°・ 彼女が床に横になると、そのシルエットが無島と重なるラストカットは、本当にいろいろ考えさせられるというか。ううむ、「結局、傍観者の胸の中に残った」ということなんでしょうか…。エンドロールはスゲー予想できて、「来るなよ、来るなよ…」と思ってたんですけど、やっぱり“小さいころのヘウォンとボンナムの仲良し描写”が出てきて、死ぬほど号泣メーン!ヽ(`Д´)ノ もう二度と観たくないと思いました(「マーターズ」のラスト風だけど、こっちの方が恐ろしく泣ける)。

役者に関しては、とにかくソ・ヨンヒがスゴかったです。“無学だけど気の良い女性”って感じのボンナムを見事に演じてましたよ。この人、「チェイサー」の風俗嬢役でも凄まじく泣かされたんですけど、素晴らしい女優さんだと思います。チ・ソンウォンもイヤな奴感が漂っていて良かったし、他の島の住人たちもみんな“良い顔”をしていて最高でした。

脚本も書いたチャン・チョルス監督は、あの有名なキム・ギドク監督の助監督だったそうで。キャラクター設定に沿った様々な伏線をしっかり回収する脚本といい、そのキャラクター設定の“深み”といい(唯一の生き残りである耄碌爺さんや姑たちの過去への想像の余地すらある)、イヤな演出の数々といい、この映画がデビュー作だなんて信じられないクオリティだと思います。この人、今後も要チェックですな。

結局、この映画が一番言いたいのは「“見て見ぬフリ”はダメ絶対!ヽ(`Д´)ノ」ってことでして。その範囲を広げちゃうと「こうやって文明的な暮らしをしている僕らは途上国を搾取している現状を黙認していて…」的なことになって収拾がつかなくなるので「それはそれ」としておいて。とりあえず、街中や身の回りで法的にダメなことを目撃した時は、ちゃんと警察に電話しましょうね。約束だよ!(一方的に)

ということで、例によって長い&グダグダになってしまってすみません… (´・ω・`) 僕は、非常に教育的な素晴らしい映画だと思いましたけど、本当にキツかったので二度と観ないと思います。グロ描写は“首切断描写”くらいなんですが、精神的に厳しいシーンが非常に多いので、よっぽど興味がある人以外にはオススメできないかなぁ…。




面白いけど、警察&風俗描写にイラッとする映画。ソ・ヨンヒが可哀想な風俗嬢で出てきます。



このラース・フォン・トリアー監督作を思い出したのは僕だけじゃないハズ。おぞましい内容なので注意!



キム・ギドク監督の作品って、1本も観たことないんですよね…。

テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

2011/04/10 22:25 | 映画(2011)TRACKBACK(0)  TOP

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