わたしは分断を許さない(ネタバレ)
鑑賞後の僕の気持ちを代弁する宮本武蔵を貼っておきますね(「刃牙道」より)。
実は少し期待してた。恥ずかしながら、堀潤さんが地道にジャーナリスト活動をされていたことは知らなかったので(すでに「変身-Metamorphosis」なんて映画を撮っていたことも知らなんだ)、「こんな映画を撮るなんて、スゴイじゃん!(*゚∀゚)」と感心したし、何よりも「分断」というテーマが良いなぁと思って。最近は、何らかのトピックスがあると、すぐに極論同士がぶつかり合って分断状態になりがちですが、人間はそんなに白黒 or 右左に分けられるほど単純ではないワケで。そういうことを描くのかなぁと思っていたら、まぁ、そういうことを描いてはくれるものの、ううむ、ごめんなさい、全体的にスゲー中途半端だった印象。映画が始まると、監督が実際に足を運んで取材した「香港のデモ」「福島県の復興住宅」「難民を受け入れない東京入国管理局」「沖縄の基地反対」「中国化するカンボジア」「パレスチナ・ガザ地区」「北朝鮮の大学生交流会」などの「分断が起きている現場」の映像が流れていくんですけど…。なんて言うんですかね、いろいろな場所を扱っている分、深く掘れないのは仕方ないにせよ、とは言え、だからと言って各パートとも「分断」というテーマをしっかり描けているといったら微妙だったんじゃないでしょうか。
例えば、序盤に流れる「香港のデモ」では、警察がデモに参加した市民を銃撃するシーンが映されていてなかなかショッキングだったものの(あの程度で発砲してビックリ!)、「でも、警官側の若者たちも同じだ」みたいなナレーションをボンヤリ流されて、スゲー萎えたというか。「それはあなたが代弁するのではなく、向こうの言い分を取材してよ」って思っちゃう。逆に「沖縄の基地反対」では、米兵の言い分も流すんですが、残念ながら取材相手がお偉いさんではないだけに通り一遍の話しかできないから、時間の無駄に感じたし…(その「通り一遍」感を出したかったにせよ、不要だと思う)。その地に暮らす人=小さい主語を映すことで分断を描きたいんでしょうけど、ほとんど片方の意見だし…。志は高いけど力不足に感じたというか。もうちょっと場所を絞って描いた方が良かったんじゃないかなぁ。ハッキリ言って、期待していた分、少なからず落胆いたしました。一応、オチを書いておくと、「俺たちの戦いはこれからだ!ヽ(`Д´)ノ」的に終わってたような気がします(うろ覚え)。
ということで、僕の気持ちを代弁する烈海王を貼っておきますね(「バキ」より)。
「真実を見極めるためには、主語を小さくする必要がある」というのは本当に同意なんだけど、小さい主語が多すぎて作品が散漫になってたというか、ごめんなさい、ドキュメンタリーとして面白くなかったです。方向性や題材は違いますが、「ビハインド・ザ・コーヴ 捕鯨問題の謎に迫る」を観た時のことを思い出しましたよ。同名の単行本を読んだ方がわかりやすいのかなー。ただ、僕的に本作はイマイチでしたが、真っ当なジャーナリスト活動をしている堀潤さんの姿勢は尊敬できるのでね、「次を待つ (゚⊿゚)」という気持ちでございます。まぁ、何はともあれ、所詮は偏差値低めのブログなのでね(苦笑)、興味がある方はぜひ観てみてくださいな。
堀潤さんによる同タイトルの単行本。興味はあるんですがー。
2020/06/22 19:00 | 映画(2020) | TRACKBACK(0) TOP