ハウスメイド(ネタバレ)
ハウスメイド
原題:下女하녀
2010/韓国 上映時間107分
監督・脚本:イム・サンス
出演:チョン・ドヨン、イ・ジョンジェ、ユン・ヨジョン、ソウ、パク・チヨン、アン・ソヒョン
(あらすじ)
上流階級の邸宅でメイドとして働くことになったウニ(チョン・ドヨン)。無口で従順なウニは懸命な働きぶりで先輩メイドのビョンシク(ユン・ヨジョン)や一家の信頼を得るが、ある日、一家の主人であるフン(イ・ジョンジェ)が、双子を妊娠中の妻ヘラ(ソウ)と6歳になる娘がいる身であるにもかかわらず、ウニの部屋へ忍び込みひそかに関係を持ってしまう。(以上、シネマトゥデイより)
予告編はこんな感じ↓
70点
※今回の記事は、アダルトな内容が書かれているので、そういうのが苦手な人は読まない方が良いです。
※今回の記事は、かなり心の狭い文章が書かれているので、そういうのが苦手な人orお金持ちの方は読まない方が良いです。
確か「モールス」を観た時に予告編が流れたんですが、その時はあまり興味が湧かなかったんです。ところが、先週のシネマハスラーのリスナー枠で「ラストの解釈について云々」と投稿された方がいて、それを聴いたら非常に気になってしまって…。新宿ミラノ3で観てきました。「金持ちが憎い!ヽ(`Д´)ノ」と思いましたよ…。
こういう大きい看板があるのはうれしいですな。
まぁ、僕もオッサンですからね、今さら「金持ちの家に生まれたかったよぅ… (´・ω・`)」なんてことは思いませんがな。当然ながら、そういう家に生まれたからって幸せとは限らないし。「大体、金持ちってどこで線引きするのよ?」って問題もあるし、「そんなことに拘っても何の得もない」ということでね、普段は別に気にしないで生きているワケじゃないですか。
だがしかし! こういう映画を観ると、憎悪が一気に噴出するというかね。マジでふざけんなと。最初、予告編を見た限りでは、金持ち奥さんとメイドが旦那を巡って、「アタシはここで<浮気の場面を目撃した女史>を召喚! <意地悪な姑>との連携により、<不貞による解雇>を発動させるわ!川`Д´)ノ」「おっと、アタイはその特殊召喚に対して、罠カード<予想外の妊娠>の効果を使わせてもらうぜ 川 ̄ー ̄)ニヤッ」という「遊戯王」っぽい女同士の駆け引きバトルが繰り広げられると思ってたんですよ。
ところが! チョン・ドヨン演じるメイドのウニは、「旦那様との浮気にちょっとノリノリになっちゃった 川ノ∀`)テヘ」という非はあるものの、基本的には呑気で善良な女性ということで、狡猾な奴らに虐げられる一方なんですね…。先輩メイドのビョンシクが姑(パク・チヨン)にチクってからは、姑は脚立から突き落とすわ、奥さんのヘラは堕胎させる薬を飲ませるわと、もう意地悪すぎ!ヽ(`Д´)ノ ヘラがウニを「アタシは優しく接したのにぃ!ヽ川`Д´)ノ」と責めるのは分からなくもないけどさ、まず下半身がだらしない旦那を責めろ、旦那を!
無防備に色っぽさを見せてしまったため、旦那に狙われてしまうウニ。
先輩メイドのビョンシク(右)が姑にチクる! 後で反省してたけど、マジ最低。
ということで、心底腹立つのが旦那のフン。コイツはナチュラル・ボーン・金持ちであり、欲しいモノは難なくゲットできる人生を送ってきたため、ウニを抱くのも当然といった“雄度100パーセント”な態度で彼女に迫るワケですよ。しかも「しゃぶれ」とか「中に出せないなら口で~」とか、やりたい放題。ねぇ、ああいう命令口調のセックスをする人って本当に実在するんですかね? もう僕的にはSF(少し不思議)の世界というか、羨ましくてムカついて仕方がなかったです…。
こういうことされてる時、普通はこんなポーズとらないよね…。ここだけ見るとヒムロックみたい(失礼すぎな発言)。
で、とにかく激怒したのがラスト。フンとの子どもを無理矢理堕胎させられたウニは(憎悪しすぎて吐き気がするシーン)、意を決して屋敷に潜入。さぞ胸がすく鮮やかな復讐をしてくれるのかと思いきや、奴らの前で首吊り&焼身自殺をしまして。で、場面変わって、別荘で6歳の娘のナミ(アン・ソヒョン)の誕生日を祝うシーンになるんですけど、ウニと仲良しだったナミは彼女の無惨な死を目に焼き付けたことにより、どことなく両親を冷めた視点で捉えているムードで終了という…。
そりゃね、奴らの娘に“不穏な種”を植え付けたというのは、多少のリベンジ感がなくもないですけどね、やっぱり全然納得が行かない!ヽ(`Д´)ノ もっと「ホステル」風な拷問とかで直接痛みを与えないと、溜飲が下がらない…溜飲が下がらないんですYO!ヽ(`Д´)ノ
映画冒頭、労働階級の描写を流したりしてたし(自殺シーンは意味不明でしたが、ウニの運命に対する暗示?)、もしかするとイム・サンス監督はこうやってモヤモヤ感を残すことで、観客たちに金持ちを憎む気持ちを植え付けようとしたのかもしれませんが、僕はすっかりその思惑にハマッてしまったというか。もうこの気持ちを持って行く場所がなくて、とにかく金持ちが憎い!ヽ(`Д´)ノ マジでクライマックスのシーンを平松伸二先生テイストで描き直してほしい心境。
例えば! ウニが焼身自殺したことで、炎が回って焼け落ちる屋敷。それを見ながらフンたちが「チッ、貧乏人風情がァ…」「屋敷はまた建てればいいわよォ」などと言ってるところに、「遅かったか…」とウニの親友が登場(劇中に出てきてた)。「てめぇら、それでも人間かよオオオ~~~!」と、ヘラ&母親をテコンドーの足技で蹴り殺し(腹を蹴られて、内臓破裂で苦しみながら死ぬ感じ)、フンは股間を羽死夢ライクに握り潰して殺害! 残されたナミと双子は“あらたな黒い天使”としてウニの親友が育てるというね…。こんな終わり方だったら、この映画がカンヌで評価されることはなかったかもしれませんが、僕的には100点でしたYO!ヽ(`Д´)ノ
ウニの親友は気の良い女性。心なしか「ブラック・エンジェルズ」の羽死夢に似ているのは偶然…!?(間違いなく偶然)
ちなみに羽死夢の殺し方はこんな感じ。これだけは勘弁してほしいですな…。
って、文句を書いちゃいましたけど、ウニ役のチョン・ドヨンが見事な演技&裸体を見せてくれているという非常にありがたい作品なので、男子なら観ても損はないと思いますぞ。ちなみにリメイク元の「下女」は未見なんですが、宇多丸師匠が評価していたということで、スゲー気になるというか。DVD出ないかなぁ。
イム・サンス監督のデビュー作。エロそうですな。
チョン・ドヨン主演作。ゲンナリする展開が続きますが、素晴らしい映画。
2011/09/16 19:35 | 映画(2011) | TRACKBACK(0) TOP
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