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セルビアン・フィルム(ネタバレ)

セルビアン・フィルム

セルビアン・フィルム

原題:A Serbian Film
2010/セルビア 上映時間104分
監督・脚本:スルディアン・スパソイエビッチ
出演:スルジャン・トドロビッチ、スルディアン・スパソイエビッチ、セルゲイ・トリフュノビッチ、エレナ・ガブリロビッチ
(あらすじ)
元ポルノ男優のミロシュ(スルジャン・トドロビッチ)は、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたヴィクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


※今回の記事は、非人道的で最低最悪な吐き気がする場面を具体的に書いていて、この手の残酷な映画に免疫がない人は間違いなく不快になるので、できれば読まない方が良いと思います。

僕はよく「ゴア描写最高!(・∀・)」みたいな文章を書いてますが、“バトルの中での首チョンパ”とかは大好物ではあるものの、一方的に陵辱したりされたりする、いわゆる“トーチャー・ポルノ”はそんなに得意じゃないんですよ…。で、この「セルビアン・フィルム」もストーリーを読むと女性とかが凄まじく酷い目に遭いそうだから、いくら尊敬する映画評論家&デザイナーの高橋ヨシキさんや、『別冊映画秘宝』編集長・田野辺尚人さんがオススメしようとも、全然観る気はなかったんですが…。「ゾンビ大陸アフリカン」を観た時、こんな張り紙を見つけまして。


「ご鑑賞の前に大切なお知らせ」だと…?
大切なお知らせ


本作は20歳未満の方はご覧いただけません。
本作品には、倫理的にも表現的にも最悪の描写が含まれております。
20歳未満の方には、決してお見せ出来ません。
また20歳以上の方であっても、心臓の弱い方や体調の優れない方のご鑑賞はお勧めできません。
くれぐれもお客様、各自の責任においてご鑑賞下さい。



僕はこれを読んだ時、「お前みたいなヘタレ野郎にこの映画はハードすぎて無理だから、さっさとママのところに帰ってミルクでも飲んでな!(`∀´) ケケッ」と言われている気がした…というのは考えすぎでしょうか(間違いなく考えすぎ)。まぁ、「君子危うきに近寄らず」という言葉もありますし、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のマーティのように「チキン!ヘ(゚∀゚*)ノ」とバカにされてもガマンすればいいと思ったりもしたんですが…。僕は「噂の刑事 トミーとマツ」で育った世代なので、やっぱり「トミコ!(`Δ´) 」と罵られたらキレざるを得ない!ヽ(`Д´)ノ(なにこれ) ということで、「舐められてたまるか!ヽ(`Д´)ノ」とメンズデーを利用してシアターN渋谷で観てきたんですが、ゲンナリしちゃいましたよ… ('A`)


メンズデーのある映画館は信用できる!
月曜はメンズデー

映画とは1ミリも関係ありませんが、「トミーとマツ」の動画を貼っておきますね↓




スゲー非道い描写が満載でしたよ ('A`) 最初の40分くらいは全然ハードじゃなくて。主人公のミロシュは元ポルノ男優なんですが、復帰に向けて走ったりとか、座禅を組んで男性器を勃起させるトレーニングをしたりとか(カメラがチンコ目線!)、牧歌的なムードすら漂ってたんです。「少女が観てる前で性行為をやらされる」なんてシーンがあったりすると、ミロシュは妻と幼い息子がいる“良き家庭人”なので、「もうこんな作品、出ない!ヽ(`Д´)ノ」とキレる倫理観もあったりしてね。


ミロシュは家族想いの真面目な男なんですが…。
真面目なミロシュ


で、監督のヴィクミルに「一緒に芸術を作ろうぜ!ヘ(゚∀゚*)ノ」と、過去の自慢の作品を見せられるんですが…。その内容が信じられないほどおぞましい。文章にすることすら不快なんですが、「妊婦に出産させる→その生まれたての赤子を屈強な男がレイプする」んですよ。もうね、よくこんなことを考えついて、さらに映像にしたなぁと。このシーンは確かに倫理的にも表現的にも最悪でした。

そんな映像を見せられたミロシュは、当然ながらドン引きしてヴィクミルの屋敷から逃げ出すんですけど、気が付くと自宅にいて、「3日間の記憶がない」という「ハングオーバー!」状態に。自分の足取りを辿っていくと、自分が性欲促進剤&シャブ漬けにされて、地獄のような経験をしていたことを思い出すというね…。その3日間にどんなことがあったのか、個条書きで書くと↓


女性をバックから犯しながら刀で首をハネて、首なし死体をそのまま犯し続ける
クスリ漬けで意識を失ってたら、尻を用心棒に犯される
ミロシュを救おうとしたポルノ女優は、歯を叩き折られた挙げ句、覆面男に男性器を突っ込まれて窒息死
覆面男と並んで女性と子どもを犯していたら、覆面男は兄で、女性は妻で、子どもは自分の息子だった
→監督が「これが理想のセルビアン家族だ!」と感涙
激怒したミロシュとその妻は、兄と監督と用心棒たちを皆殺しに!



ということで、本当に凄まじかったんですけど、オチがまた超鬼畜。結局、ミロシュ一家は助かったものの、心の傷は癒えずに心中してしまうんですが…。翌朝、家族の死体を3人の男がカメラで撮影しつつ、偉そうな男が「よし、まずはガキから」と部下に屍姦を指示して終了するんです。う~ん、この“最悪”を徹頭徹尾、全うする姿勢、大したモンだと感心させられました。


クスリ漬けにされたミロシュはこんなワイルドに! 怖い!
野獣なミロシュ

この後、女性は首をはねられて、血が飛び散ってました。
首をはねる!

自分の妻を兄が犯している横で、自分の息子を犯す父。最悪ですな。
仲良し兄弟

妻と子の命は助かったものの、心の傷は癒えず、心中することに。救いなさすぎ。
トラウマな母子


何が一番恐ろしいって、意外としっかり作られているから、こんな陰惨なシーンばかりで救いのないオチの映画なのに、実は結構面白く観られちゃったんですよね。なんて言うんでしょうか、鬼畜のような展開があっても、劇中で主人公がちゃんとそのクズの所業の数々を不快に感じているから、思った以上に観客が感情移入できるというか。その他、「ミロシュの兄が妻に欲情してた」とか「最後に出てくる3人の男たちとは、序盤にすれ違ってた」とか、張った伏線はちゃんと回収してるし、赤子をレイプした用心棒が「ミロシュの男性器で目をエグられる」という最も悲惨な死に様を迎えたのもバランスがとれてるし…。なーんて感じで、アンモラルの極北のようなこの映画を受け入れてしまう自分にゲンナリしたりもして… ('A`)

ということで、狂った描写を入れまくりつつもキッチリまとまってるスゴい映画でしたよ。いや、もちろんこの映画を僕の奧さんが観たら発狂しかねないほどハードだから、基本的には全然オススメしませんけど、ゴア描写が大丈夫な映画マニアの人なら「一見の価値アリ」じゃないでしょうか。




イーライ・ロス監督作。拷問シーンはキツいけど、スゲー面白いというね…。



2009年にシアターN渋谷で上映された拷問映画。僕の感想はこんな感じ

テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

2012/02/23 17:05 | 映画(2012)TRACKBACK(0)  TOP

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