メランコリア(ネタバレ)
メランコリア
原題:Melancholia
2011/デンマーク、スウェーデン、フランス、ドイツ、イタリア 上映時間135分
監督・脚本:ラース・フォン・トリアー
撮影:マヌエル・アルベルト・クラロ
出演:キルステン・ダンスト、シャルロット・ゲンズブール、アレクサンダー・スカルスガルド、ブラディ・コーベット、シャーロット・ランプリング、イェスパー・クリステンセン、ジョン・ハート、ステラン・スカルスガルド、ウド・キア、キーファー・サザーランド
(あらすじ)
姉夫婦の豪華な邸宅で盛大な結婚パーティを開くジャスティンは、皆から祝福され幸福感に満たされる一方、どこかでむなしさも感じていた。そんなとき、巨大な惑星「メランコリア」が地球に向けて近づいていることが判明。それは同時に地球滅亡の知らせでもあったが、それを聞いたジャスティンの心はなぜか軽やかになっていく。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
67点
※今回の記事は、真面目な感想文を読みたくて検索して、たまたまこのブログに来たような人は怒るんじゃないかと思うんです。例えば、惑星が地球にぶつかるという設定を聞いた時、「ウルトラマンレオ」を思い出すような残念な人以外は読まない方が良いのかもしれません…。
ラース・フォン・トリアー監督の作品には、良かれ悪しかれ何らかの衝撃を与えられることが多いので、なるべく観に行くようにしているんです。で、今回も新宿武蔵野館で観てきたんですが…。嫌いじゃない感じではありましたよ。
ロビーの一番奥に行くと、派手な惑星メランコリアの展示が! 僕的には非常に評価してあげたい(偉そう)。
記事の切り抜きもあったんですが…。
なんと「ムー 2012年 02月号」の切り抜きがあったりして。なんかうれしいというか、久しぶりに買おうかしらん。
僕的には「惑星メランコリアが地球にぶつかってくる映画らしい」「尊敬する映画評論家の町山智浩さんがディスってた」(確か脚本が酷いみたいなことを書かれていたような)程度の事前情報しか入れてなくて。「ラース・フォン・トリアー監督版の『ディープ・インパクト』というか『アルマゲドン』
というか『妖星ゴラス』
というかウルトラマンレオの第38話
なんだろうな」なんて思ったり。で、映画が始まったら、幻想的なスーパースローの映像が流れまくるオープニングがなかなかカッコ良かったりしてね(8分近くある!)。
動画があったので貼っておきますね↓ 流れている曲は「トリスタンとイゾルデ」だそうです(タイトル、初めて知った…)
ちょっと観てると、「あ、これはこれからのダイジェスト映像なんだな~」と理解しましてね。自分なりに「こんな話になるんじゃないか?」と妄想して、少しだけときめいたりもしたんですよ。
例えば、この画像は、はるか昔にも幻魔のせいで惑星メランコリアが接近したことがあるという示唆。
そして、幻魔打倒の鍵を握るのはこの少年! 救世主を守りながら必死に逃げる母親。
幻魔を倒すために修行を始める3人。レッスン1、終了!
修行のかいあって、放電能力をゲット。だが、能力を過信したせいで負けてしまう…。
幻魔の花嫁にされそうになったヒロインは逃げるものの、魔の手が迫る!
少年はヒロインを助けると、地球=自然の力を使って、幻魔と惑星メランコリアに対抗することを決意! 今、あえて武器は槍の時代!
とうとうメランコリアが激突! だがしかし、オレたちの勝負はこれからだ!ヽ(`Д´)ノ
な~んて思ったら、残念ながら全然こんな感じではなくて。いや、正直なところ、僕が2秒で思いつく程度のサイキックバトル映画になるとは思わなかったけどさ、ただ、登場人物たちが惑星の衝突を防ごうとするとは予想してたんですよ。ところが、基本的には一般人が右往左往するだけというね…。二部構成の映画なんですが、ちょっとMovie Walkerのあらすじを引用しながら感想を書きますね。
<第1部 ジャスティン>
新婦ジャスティン(キルスティン・ダンスト)は、新郎マイケル(アレクサンダー・スカースガード)とともに結婚パーティーの行われる姉夫婦の家に向かっていた。ところが、2人の乗るリムジンが立ち往生し、大遅刻。姉のクレア(シャルロット・ゲンズブール)とその夫ジョン(キーファー・サザーランド)が出迎えて、ようやくパーティーが開始される。義兄のジョンが私財を投じて開いてくれた盛大なパーティーだったが、母ギャビー(シャーロット・ランプリング)の悪意に満ちたスピーチなどを目にして、ジャスティンは次第に虚しさを覚えてゆく。“バカなマネはしないように”とクレアから釘を刺されたものの、会場を離れて情緒不安定な行動を繰り返した後、霧が立ち込める早朝の道を愛馬で駆ける。橋のたもとで空を見上げたジャスティンは、そこにさそり座の赤い星アンタレスが存在しないことに気付く。
オープニングが終わると、ジャスティンとマイケルの披露宴の様子が描かれるんですけどね、序盤でジャスティンが、遅刻して来賓を待たせているくせに馬の様子を見に行ったりする時点で、「コイツはおかしいぞ!? Σ(゚д゚;)」と思って。案の定、自分の結婚パーティなのに周囲に気を遣わないわ、中座はしまくるわ、野外で放尿するわ、他の男とセックスするわと、ほとばしるほど「アウト!(°∀°)b 」な女。しかもジャスティンの両親も面倒くさいしさ(あのババアはヒザを正面から蹴ってやりたいくらいムカついた)、あんなアホみたいに長時間のパーティを企画した奴らまでムカついてくる。なんて言うの、花嫁に問題があってハッピーエンドにもならない「レイチェルの結婚」を見せられている気分というか。不快指数はかなり高くて、これは大げさじゃなく、この披露宴のシーンで3人ほど劇場を出るのを目撃しましたよ(そして、戻ってこなかった…)。まぁ、結局、パーティが終わるころ、マイケルとは別れてしまって、なんだかんだと映画は後半戦となる<第2部>に突入するワケです。
<第2部 クレア>
7週間後。別荘の窓から木々のざわめきを眺めていたクレアは、アンタレスを遮って地球に異常接近する惑星メランコリアが気になっていた。ジョンは、“惑星は5日後に通過するので、地球に衝突することはない”と妻をなだめる一方で、非常時の用意も整えていた。そんな中、憔悴しきったジャスティンがやって来る。支えられなければ歩くこともできないジャスティンだったが、夜には外出し、小川の辺で月よりも大きくなった惑星にうっとりと微笑みかける。後を追い、その姿を目撃するクレア。惑星の接近を心待ちにする息子レオ(キャメロン・シュプール)とは反対に、ネットで地球と惑星の軌道が交わる画像を発見してぼう然とするクレア。“地球は邪悪よ。消えても嘆く必要はないわ”とクレアに淡々と語るジャスティンは、惑星の接近につれて心が軽くなってゆく。いよいよ惑星が通過する夜、ジャスティン、クレア、ジョン、レオの4人はその瞬間をテラスで待ち構える……。
実は、この<第2部 クレア>から少し面白くなるんです。というのは、「結局、ジャスティンには予知能力があって、惑星メランコリアが地球にぶつかることをすでに知っていたが故に、結婚パーティの時はゲンナリしていた」ということが分かるから。メランコリアが近づくにつれて、あんなにグズグズだったジャスティンが次第に元気を取り戻していくと、今度は姉のクレアとその夫ジョンが微妙な感じになって、メランコリアの激突が確実になったらジョンはアッサリ自殺しちゃうんです。
そうなると、僕の興味は「ここからどうやって激突を防ぐのか!? (・ω・;) ウ-ム」の1点ですよ。ジャスティンは全裸でメランコリアを眺めたり、「地球は邪悪だから滅んでも仕方ないわ 川・∀・)」なんて達観状態なんですけどね、悪いけど、子どもを持つ親としては最後の最後まであがきたいところ。もちろん現実的に地球自体が滅びるって言われたら、僕だって「仕方ないや… (´・ω・`)」って思うだろうけどさ、今、僕が観ているのは映画なんですから。まったく僕が予想してなかった方法で、何らかの打開策が提示されるんだろうと思っていたら、そのままメランコリアが衝突して終わるというね…。
で、メランコリアが激突する寸前、ジャスティンとクレアとその息子は、3人で手を繋いだまま最後を迎えようとするんですよ。ところが、その滅ぶ瞬間にクレアだけ恐ろしさのあまり手を離しちゃって映画は終わるんです。最初はこのシーンがどうも腑に落ちなくて、パンフレットを読んだりしたら、ラース・フォン・トリアー監督的には、鬱病だったころの体験を反映させたというか、鬱病の人と一般の人の対比的な意味合いを入れていたらしく…(「鬱病の人は不幸な状況にいるから、何かあった時、冷静に対応できる」とか、そんな感じ)。なんかそういうのを知っちゃうと、ごめんなさい、ちょっと面倒くさいなぁと思って。
本当に上手く書けなくて申し訳ないんですけど、ハッキリ言って、あそこまで絶望的な状況なら、鬱とか金持ちとかリア充とかそんなの関係なく、ほとんどの人が「もうどうにでもな~れ ヘ(゚∀゚*)ノ ホエホエ!」って思うんじゃないかなぁと。大体、クレアはその直前まで子どもを抱いたまま必死に逃げようとしたりと、健気なお母さんだったからさ、あの瞬間に子どもを思いやらないかなぁと。そもそもジョンだって、あのタイミングで自殺しないだろと。そもそも「みんな外の情報を入れなさすぎじゃないの?」とも思うしさ。これは僕の心が狭いからなんですけど、なんかね、単にラース・フォン・トリアー監督がジャスティンに自分を重ねて“達観してますヅラ”を気取りたかっただけに見えちゃった…って、意地悪な感想ですかね。
って、文句を書いちゃいましたけど、映画全体の不穏な雰囲気自体は嫌いじゃないんです。最後のメランコリアの衝突するシーンもなかなかカッコ良かったし…。そして何よりもキルスティン・ダンストのヌードが超素敵でした (´∀`) 最初、クレアにお風呂に入れられそうになる時の全裸は乳首がギリギリ見えなかったから、「おのれ、守りやがったな!ヽ(`Д´)ノ」と卑しく思ったりもしたんですが、その後の野外全裸シーンで気分がホッコリ。今、振り返ってみても素晴らしかったと思いますね…(しみじみ)。キルスティン・ダンストさん、ありがとう!ヽ(TДT)ノ
お風呂で全裸になった時は乳首が隠れていたものの…。
野外では超大胆で素敵すぎ!ヽ(`Д´)ノ もう、感謝しかありません。
ううむ、何だか非常にどうでも良い臭いがプンプンする駄文を書いてしまった気がしますが、僕の感想はこんな感じでしたよ。なんか飲み込めないところはあったんですけど(特にラスト)、嫌いにはなれない作品というか、もう一度観たいような気もするというか。それと、人によって当たりハズレがデカい気がするので、無闇に劇場へ足を運んでほしいとは言えないんですけど、DVDだと間違いなく迫力が削がれるとも思ったりするという…。ううむ、難しいですな。
ミミ・レダー監督作。彗星が地球に衝突しそうになって大変な映画です。
マイケル・ベイ監督作。小惑星が地球に衝突しそうになって大変な映画です。
本多猪四郎監督×円谷英二特技監督作。黒色矮星ゴラスが地球に衝突しそうになって大変な映画です。
ウルトラマンレオのテレビシリーズ。ウルトラの星が地球に衝突しそうになって大変になる話が収録されてます。
※残念な備考
最近、こうやって備考を隠し気味なんですが、結構気持ち悪い文章なので許してください…。というかね、僕的に映画を振り返ると、よくよく考えてみれば、あの瞬間に地球が滅んだとは限らないと思うんですよね。メランコリアが限りなく近づいて、クレアとかは死んだとしても、あの瞬間に、他の国…例えば日本で打開策がとられていたとしたら? 僕的にはこんな<第3部>を妄想してしまうワケです↓
<第3部 アストラ>
惑星メランコリア、別名ウルトラの星が通常の惑星では考えられないほど、急激なスピードで地球に接近してきた理由。それは星の公転軌道を調節していたウルトラキーがなくなったためだった。そのキーを盗んだのは、ウルトラマンレオの弟・アストラ。キーを奪還するため、ウルトラ4兄弟はアストラが逃亡した地球に向かったのだがーー。
すみません、ここからはこのBGMを流しながら読んでください↓(本当はこっちなんだけどネ)
メランコリア a.k.a.ウルトラの星が地球に迫る! あぶなーい!
それもこれもアストラがウルトラキーを盗んだせい。どうしてそんなことを?
怒れるウルトラ4兄弟も地球に到着(初マンだけ超素敵なブラザーズマント仕様)。
そこにレオもやってきた。レオ「みんなどうしたんだ!」
怒り心頭な初マン「オレたちはアストラを殺す!」レオ「待ってくれ、話をさせてくれ!」
必死に話しかけるものの、アストラは目を合わそうとしない…。レオ「どうして返事ができないんだ!」
レオ「もう少し時間をくれ!」エース「時間がない!」新マン「ちょwレオwwうしろうしろwww」
初マン「ええい、ラチがあかん!」と怒りのスペシウム! 一体、地球はどうなってしまうのか!?
って、グダグダとウルトラマンレオ第38話「決闘!レオ兄弟対ウルトラ兄弟」を再現してみましたが、いかがだったでしょうか。結局、このアストラはババルウ星人
が化けていたニセモノなんですが、それはまた別のお話(なにこの文章)。ちなみに実際の第38話は弟想いのレオが本当に可哀相なので、興味がある人はぜひ観てほしいところです。
実際の第38話では、例えば、ウルトラ兄弟がスゲー容赦なかったりするし…。
レオを思いっきり盾にするアストラも酷すぎ! まぁ、ニセモノなんですが。
ということで、「メランコリア」を観ていた時、「もしかして今ごろ日本ではこんなことが起きているのかも… (´∀`)」とか思ったら楽しかったので、つい書いてしまった次第。こんなくだらない文章に長々とお付き合いいただき、ありがとうございました m(_ _ )m
出演は劇団M78と獅子座ブラザーズのみなさんでした。…って、1人増えてる!? Σ(゚д゚;)
レオ「なかなか良い演技だったぞ」アストラ「いやぁ、そんなことないよ、兄さん」
おしまい!ヽ(`Д´)ノ
2012/03/12 23:10 | 映画(2012) | TRACKBACK(0) TOP
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