武闘拳 猛虎激殺!(ネタバレ)
武闘拳 猛虎激殺!※この記事は、2012年10月25日にアップしたものです。
武闘拳 猛虎激殺! 【DVD】
1976/日本 上映時間88分
監督:山口和彦
企画:太田浩児
脚本:掛札昌祐、中島信昭
撮影:仲沢半次郎
美術:北川弘
編集:田中修
音楽:小杉太一郎
助監督:深町秀煕
出演:倉田保昭、清水健太郎、矢吹二朗、大塚剛、石橋雅史、小池良一、遠藤薫、土井かつえ、堀田真三、深江章喜、樋浦勉、紅幸治、竜拳二、斎藤一之、久地明、北九州男、原田力、光本大介、小林稔侍、亀山達也、山本昌平、西本良二郎、比良元高、三重街恒二、春田二三夫、森祐介、土山登士幸、近藤宏、章文栄
(あらすじ)
灼熱の国・メキシコで闘技の修行を積んだ竜崎鉄次(倉田保昭)が日本に帰国。鉄次は父と兄の仇を討つため、必殺地獄突きを武器にベンガルの人喰い虎や武斗集団に立ち向かう。(以上、amazonより)
予告編はこんな感じ↓
80点
12年くらい前、初めてインターネットに触れた時は、すっかりヤフオクにハマッちゃいまして。で、いろいろと落札しまくった中で、最も「良いモノを買った!ヽ(`Д´)ノ」と喜び勇んで、思わず青空の下を野武士たちのように駆け巡ったのが、このポスターですよ↓
額に入れて飾っております。超カッコイイ!ヘ(゚∀゚*)ノ
好きなポイント①。トラが腕を噛むビジュアルが素晴らしすぎ! 「虎か空手か!?」のキャッチもLOVE。
好きなポイント②。倉田保昭さんがカトーマスクを装着! どんな活躍をするのかしら… (´∀`) ワクワク
好きなポイント③。よく分からないけど捕まってる女性。悲壮感が伝わってきます。
好きなポイント④。隅の方にトラに襲われている人が! 誰か助けてあげて~ (´Д`;) ハラハラ
あの倉田保昭さんがトラと戦ってたなんて!∑(゚Д゚) 正直、「闘え!ドラゴン」や「Gメン’75」
は好きだったけど、その他の出演作はそんなにチェックしてなかった僕的には本当に衝撃的でしてね。本の世界では“インドの小さなトラ殺し”ちびくろサンボが「複数のトラをバターにして喰った」のを皮切りに、人間が素手でトラに勝つシーンが多く描かれてきたものの、実写となると、どうしてもビジュアル的にチープになりそう&動物虐待問題が出てくるだけに、製作のハードルが凄まじく高そうじゃないですか。
フィクションの世界では、愚地独歩氏のトラ殺しが有名ですな。
ピクルも食料として、素手でアッサリ殺してました。
ラオウに至っては、豪快に首をもぎ取っちゃってましたが…。
大山倍達先生曰く、人間は猫にすら、こんな感じでなかなか勝てないそうです。すばしこい!Σ(゚д゚;)
現実的に考えると、素手の人間がトラに勝つのは100パーセント無理でして(そりゃそうだ)。空手家との試合を企てた康芳夫さんが断念したのも仕方ないワケですよ(この人に関しては「篦棒な人々ー戦後サブカルチャー偉人伝」とか「変人偏屈列伝」
を読むのがオススメ)。ただ、せめて実写映画で“素手の人間とトラのバトル”を観てみたい…。そんな僕の願望を具現化した映画が、70年代にすでに作られていたことが本当にうれしくて。
ソフト化されていない=そんなに評価は高くなさそうだけど、「いつか観たいものですな (´∀`)」と思いながら、日々働き、納税し、恋をして、結婚し、娘が生まれて、もうすぐ40歳…。このまま老いて死んでいくのだろうと、一抹の寂しさを噛みしめていた矢先! いきなりDVD化されたんだから、超ビックリですよ。当然ながら即購入して、観たんですけどね、頑張ってました (o^-')b とりあえずストーリーを乱暴に個条書きにしてみますね↓
メキシコにて、空手でニワトリを殺すデモンストレーションをする竜崎鉄次
カトーマスク装着の鉄次(a.k.a.アイアンドラゴン)とチャンピオン唐木誠(矢吹二朗)の試合→勝利!
奇巌城(熱海城)でトレーニングをする怪しげな格闘家たち
鉄次は吉羅本ジム会長の吉羅本伝造(石橋雅史)に父と兄を殺されていたことが発覚
試合に負けて酒に溺れる唐木を励ます鉄次→生まれる友情
吉羅本ジムの悪人たちに拉致られる唐木とその妹・絵利子(遠藤薫)
助けに行くも、ライバル根切(大塚剛)に敗北して海に落ちる鉄次
祝杯を挙げる吉羅本一味。愛人の直美(土井かつえ)が悲しげにフラメンコを踊る
奇巌城から絵利子を連れて逃げようとするも、トラに食い殺される唐木…
鉄次を介抱する直美→兄の婚約者だったことが判明。
絵利子を逃がそうとしたのがバレて、ムチ打ちの末にトラに食い殺される直美…
弟分の伊波(清水健太郎)と奇巌城に乗り込む鉄次→敵がどんどん出てくる「死亡遊戯」風展開に
根切とリベンジマッチ→鉄次の勝利!
鉄次vsトラ→あえて腕を噛ませてからの連打→勝利!
吉羅本をアッサリぶちのめして、燃える奇巌城を眺めて終了
もうね、お腹いっぱいでした (´∀`) そりゃあ、「70年代の山口和彦監督の空手映画」ですから、あらゆる描写がおかしなところまみれであり、ツッコミながら観るのに苦労しないタイプの作品なのは確かですよ。ただ、本物と着ぐるみを上手く使い分けてのトラvs人間描写は思ってた以上に頑張ってて、スゲー感心しましたね。
序盤の試合中、いきなり技名が出て来たのは驚きました(しかも、この演出はこの試合だけ)。
当時の空手アクション映画ではお馴染みの格闘家紹介シーンは大好物。
何人かがテロップとともに紹介されてましたけど、この人の名前、なんて読むんだろう…。
ちなみにこの嫌竜(原田力)は、力士なのに「竹槍で米俵を刺して、投げてくる」という変なキャラ。
で、マワシを取られて、失禁して失神するという、フザけた負け方をしてました。
唐木はかなり可哀相なキャラ。ハードっぽい拷問をされた挙げ句、トラに食い殺されるというね…。
倉田保昭さんの隣りにいるのは、若き日の清水健太郎さん。これが映画デビューだとか。
このトラとの戦い、実に頑張ってましたよ~。必見!(優しい心で)
空手映画のラスボスといえば、石橋雅史さん。今回は弱いキャラでした。
それと、クライマックス、大塚剛に連打を入れるシーンが、途中でスローになったりと上手に緩急をつけてて、ある部分、「300〈スリーハンドレッド〉」の先駆け的なアクション描写になっており、これまた素晴らしくカッコイイ!ヽ(゚◇゚ )ノ オミゴト! 良い意味で予想を裏切られて、非常にうれしかったです。
根切への連打は超名シーン! ここだけでも観る価値はあると思います。
ただ、「根切は中盤の時みたいにサイで戦えば負けなかったのに…」とは思ったり(他の奴を刺した時、そのままにしちゃってた)。
ということでね、やたらと画像を貼りまくっちゃいましたけど、実に僕好みの作品でした (´∀`) スキヨ 特典映像にトークイベントの様子が収録されていたのも良かったなぁ。この当時の空手アクション映画が好きな人は、ぜひチェックしてくださいな (o^-')b オススメ!
山口和彦監督作で一番好きなのはこれかしら。最後のバトルがたまりませぬ。
辻本貴則監督作&倉田保昭さんの映画出演100本目の記念作品。僕の感想はこんな感じ。
ツイ・ハーク監督×ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演作。トラが出て来ますが…。
※備考
山口和彦監督のフィルモグラフィには「世界最強の格闘技 殺人空手」という1976年製作の作品がありまして。これは「武闘拳 猛虎激殺!」で根切役を演じた大塚剛さんが立ち上げた格闘技興行「プロ空手」の活動を描いたドキュメンタリーなんですけど、結構スゴいんですよ。その魅力を知りたい方は花くまゆうさく先生のコラムを読んでいただければと思うのですが(というか、「リングの汁」
は名著なので必読!)、いろいろな意味で“時代が感じられる”というかね…。未ソフト化なんですが、興味がある人はぜひ観ていただければと思うのです↓
なんとなく貼っておきますね↓ 続きは各自調査!
ちなみに興味深いのが、劇中で紅幸司なる選手が肉屋で働いていて、鍛錬のために肉を叩くというシーン。これは同じ1976年の翌月に公開された名作「ロッキー」でも観られた場面なんですね。あと、1979年の「ロッキー2」
では主人公がニワトリを捕まえる特訓をするのですが、「武闘拳 猛虎激殺!」
ではニワトリを相手に空手を振るう場面があったりしまして。これは、まさに山口和彦監督とシルヴェスター・スタローンのシンクロニシティとしか言いようがない出来事だと思うのですが、「だからどうした ( ゚д゚)、ペッ」と言われれば「すみません、何でもないです」と伏し目がちで応えるしかありませんな…(なんだこれ)。
吊された肉で特訓!(下は「ロッキー」) 中学生マインドの男子が考えることは一緒ってことかしらん。
おしまい (・ε・) チェッ
2012/11/19 11:55 | 映画(2012) | TRACKBACK(0) TOP
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