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ゾンビ革命 フアン・オブ・ザ・デッド(ネタバレ)

ゾンビ革命 フアン・オブ・ザ・デッド※この記事は、2012年11月17日にアップされたものです。

ゾンビ革命 フアン・オブ・ザ・デッド

原題:Juan de los muertos
2011/スペイン、キューバ 上映時間96分
監督・脚本:アレハンドロ・ブルゲス
製作総指揮:インティ・エレーラ、クラウディア・カルビーニョ、ヘルバシオ・イグレシアス
出演:アレクシス・ディアス・デ・ビジェガス、ホルヘ・モリーナ、アンドレア・デューロ、アンドロス・ペルゴリーア、イャス・ビラー、エリエセル・ラミレス
(あらすじ)
40歳になっても、まともに働こうともしないフアン(アレクシス・ディアス・デ・ビジェガス)。親友ラサロ(ホルヘ・モリーナ)と怠惰な日々を過ごしていたが、人々が突如として凶暴化して襲撃し合うという異常事態がキューバの首都ハバナで起きる。新たな革命か反体制派による蜂起かと思われたが、徐々にフアンとラサロは凶暴化した集団がゾンビであることに気付く。恐怖と混乱が街に忍び寄る中、フアンはゾンビ化した近親者を殺せないでいる人のための代行殺りくビジネスをスタートさせる。しかし、ゾンビが次々と増殖していき……。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




71点


※今回の記事には、グロいGIFが貼られているので、苦手な人は気をつけて!

「キューバ史上初のゾンビ映画」ということで、なんか気になっちゃいまして。新宿武蔵野館で観て来ました。そこそこ好きでしたよ (・∀・)


劇場の奥の柱にポスターやパネルなどが飾られてましたが…。
柱にポスター&パネルが

なんと天井の照明部分に主人公ファンの顔が! こういう手間は偉いと思う。
天井に顔が!


簡単に書くと、キューバ社会を皮肉ったブラックジョークが満載のコメディ系ゾンビ映画でして。「ゾンビによって社会秩序が崩壊したキューバで、40代無職の親父とその仲間たちがゾンビ退治のビジネスを始める」というストーリーに、適当感漂うアクション描写と脱力ギャグがふんだんに盛り込まれてて、良く言えば“ラテンノリに満ちた作品”…なのかもしれませんが、そのノリが合わない人が観たら「舐めてんのか!ヽ(`Д´)ノ」と激怒しそうな内容でした。

例えば、主人公のファン。元軍人設定でよくわからないけど凄まじく強い上に、ゾンビに対してあまり危機感を抱いてないように見えるので(「噛まれたら自分もゾンビ化する状況でランニング&半ズボン姿」という超舐めたスタイル)、一応、ゾンビ映画なのに劇中の緊迫感はゼロに近いというね…。


尋常じゃない強さを誇るファン。ヌンチャクはブルース・リーオマージュだとして、オールは宮本武蔵?
超強い主人公ファン


ファンの親友のラサロもまた悪質で。発情して自慰行為に及んだりとか、チンコを出しっぱなしだったりとか、つい間違えて人を殺しちゃったりとか(しかも2回)、心底どうしようもないギャグを次々と投下してくるから、ゾンビ映画というよりはコント番組を観ているような心境に陥りましたよ。


とにかくアホで迷惑なラサロ。戦闘力は無闇に高いんですが…。
アホすぎる親友ラサロ


一番呆れたのが、自分の体に傷を発見したラサロが「もしゾンビ化したら、お前が殺してくれ」とファンに頼んで、2人で感傷的な一夜を過ごすシーン。「ラサロはアホなオッサンにしか見えなかったけど、いざ死ぬとなると寂しくなるなぁ… (ノω・、)」と涙腺が緩みまくったんですが、「結局、単なる傷でした(o^-')b カンチガイ」ってオチになった時は、笑いつつも、すみません、少しムカついちゃいました。


このシーン、ウルウルしながら見てたら、ゾンビ化せずに終わってビックリ。ラテンの血、恐るべし!
ゾンビ化すると思いきや


ただ、ラストの展開が結構良くて。自分の娘とラサロとその息子、そして急遽救出した子どもを海に逃がした後、ファンだけが「オレはアンゴラ内戦やマリエル事件を生き延びてきた」という、劇中で何度も使った台詞を言って、キューバに残りまして。迫り来るゾンビの大群に挑むところで終わるんですが…。その時、やっと僕はその台詞が「オレは何があってもキューバで生き延びてやる!ヽ(`Д´)ノ」というファンの“キューバ愛の表明”だったことに気付いて、ちょっと感動しちゃいました。で、エンドクレジットでは、アニメ化したファンがセックス・ピストルズ「My Way」をバックにゾンビを蹴散らすんですけど、実にカッコ良くて爽快でしたよ(旅立ったハズのラサロなどが駆けつけたのは「ファンの心の中にいる」ってことだと思う)。


1人だけキューバに残ったファン。その愛国心、嫌いじゃないぜ!
1人残ったファン


エンドクレジットと一緒に流れたセックス・ピストルズの「My Way」を貼っておきますね↓




ってことで、ふざけた映画なのは確かなんですけど、最後にグッときたというか。このインタビューとかこの見事な記事を読んだりすると、意外といろいろな意味が込められてる様子なので、キューバに詳しい人が観たら、より楽しめるのかもしれませんな。ゾンビ映画が好きな人なら、一応はチェックしといた方が良いのではないでしょうか。ちなみにアレハンドロ・ブルゲス監督がインタビューで語ってた“革命広場のシーン”をGIF化したので、最後に貼っておきますね↓


なかなか斬新なゾンビの殺し方だとは思いましたが、首を切り落とすことに政治的な意味があったとは…。
画期的な退治法


おしまい♪ヘ(゚∀゚*)ノ ウェイ!




ゾンビ映画でコメディとなると、エドガー・ライト監督のこれが挙がりますよね。



ルーベン・フライシャー監督作。ノリはこっちの方が近いかも。僕の感想はこんな感じ



なんとなくトマス・グティエレス・アレア監督の超有名なキューバ映画を貼っておきます。未見でございます。



最近観た、キューバを舞台にした映画。僕の感想はこんな感じ

テーマ : 見た映画の感想 - ジャンル : 映画

2012/11/19 12:36 | 映画(2012)TRACKBACK(0)  TOP

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