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悪の法則(ネタバレ)

悪の法則

悪の法則

原題:The Counselor
2013/アメリカ 上映時間118分
監督・製作:リドリー・スコット
脚本・製作総指揮:コーマック・マッカーシー
製作:ニック・ウェクスラー、スティーブ・シュワルツ、ポーラ・メイ・シュワルツ
製作総指揮:マーク・ハッファム、マイケル・シェイファー、マイケル・コスティガン
撮影:ダリウス・ウォルスキー
美術:アーサー・マックス
衣装:ジャンティ・イェーツ
編集:ピエトロ・スカリア
音楽:ダニエル・ペンバートン
出演:マイケル・ファスベンダー、ペネロペ・クルス、キャメロン・ディアス、ハビエル・バルデム、ブラッド・ピット、ブルーノ・ガンツ、パリス・ジェファーソン、ロージー・ペレス、サム・スプルエル、トビー・ケベル、エドガー・ラミレス、ジャンニーナ・ファシオ、ナタリー・ドーマー、ゴラン・ビシュニック、ジョン・レグイザモ
パンフレット:★★★(700円/コラムとインタビューが充実してて、好き)
(あらすじ)
若くハンサムで有能な弁護士(カウンセラー)が、美しいフィアンセとの輝かしい未来のため、出来心から裏社会のビジネスに手を染める。そのことをきっかけに周囲のセレブたちにも危険な事態が及び、虚飾に満ちた彼らの日常が揺るがされていく。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


※今回の記事は、残酷な表現やGIF、下ネタ、性的な文章などが多く書かれており、そういうのが苦手な人は間違いなく不快になるので、読まない方が良いです。
※この感想文はかなり残念な感じというか、「あの台詞の意味は…?」といった“しっかりした考察”をまったくしていません。そういうのが読みたい方は、他のブログに行くと良いですぞ。


劇場で予告編を観て、なんとなく興味は抱いたものの、11月は観たい映画が多かったので、「まぁ、DVDが出たら借りればいいかなぁ」くらいに思ってたんです。ところが、伝え聞く評判は悪くなさそうだし、今週のムービーウォッチメンの監視対象にも選ばれたということでね、すぐにでも観に行きたかったんですが…。現在、仕事が超忙しくて、なかなか時間が取れなくて。昨日、やっとユナイテッド・シネマとしまえんに足を運んで来ました。「真面目に生きよう!(`・ω・´) キリッ」と強く決意いたしましたよ。


ユナイテッド・シネマとしまえんは大好きな映画館。なぜなら…。
ユナイテッドシネマとしまえん

金曜日の会員サービスデーは1000円で観られるからさ! オトクぅ、オトクぅ!
1000円で観られるぅ!

キャラメルミルクティーポップコーン…。こんな魅力的なメニューをスルーした己の意志の固さ、超褒めたいところです。
キャラメルミルクティポップコーン


いや〜、結構予想と違ってました。脚本を「ノーカントリー」「ザ・ロード」の原作を書いていたコーマック・マッカーシーが担当しているのは知ってましたけど、これほど哲学めいた会話が飛び交う映画とは思わなかったというか、なんとなく「ジャッキー・コーガン」を連想しました。話の展開も、もっと「私はあなたを騙しました (・∀・)」「いえいえ、騙されたと思わせて、実は私こそ騙しているのです (・∀・)」「わたしまけましたわ (´∀`し」的な陰謀合戦がワッショイワッショイなのかと思いきや! 「私が騙しました!川`∀´)」「私たち騙されました… ('A`)('A`)('A`)('A`し」と、主要登場人物たちが超一方的に蹂躙されるだけだったりするんですよ。とりあえず予告編緊迫の本編特別映像の画像を使って、お話を適当に説明すると、こんな感じ↓


主要登場人物は5人。まずは職業名=役名って感じのカウンセラー。頭の良さを鼻にかけてる感がアリアリで、セックスが上手いのがまた憎たらしい!ヽ(`Д´)ノ
カウンセラー(マイケル・ファスベンダー)

その婚約者ローラ(ペネロペ・クルス)。カウンセラーが何をしてるのかは知らないけど、とりあえず好きだっちゃ (^ε^し ウッフン
ローラ(ペネロペ・クルス)

カウンセラーには友人がいて、ウェストリー(ブラッド・ピット)は危ない商売の仲介人。
ウェストリー(ブラッド・ピット)

ライナー(ハビエル・バルデム)はクラブ経営者だけど、裏の世界にもそこそこ顔が利くムードの爆発頭。
ライナー(ハビエル・バルデム)

ライナーの恋人マルキナ(キャメロン・ディアス)は重度のチーターヲタで、豹柄の刺青を入れるほど。聞く音楽はすべて水前寺清子(不要なウソ)。
マルキナ(キャメロン・ディアス)

そんなある日、カウンセラーとウェストリーとライナーは、危ない商売に手を出して、大儲けしようとしたものの…。
違法薬物を売ってボロ儲け

何者かに運び屋が殺されて、偶然が重なったことで、メキシコの麻薬カルテルに目をつけられまして。
ブツが消えた!

まず、ライナーが殺されて、愛するローラも拉致られる→死亡。
拉致されるローラ

さらには安ホテルにいるカウンセラーの元に、その殺人の様子を収めたDVDが「お届け!(o^-')b」されるという親切仕様。その後、ウェストリーも殺されまして。
殺人DVDをお届け!

で、運び屋やウェストリーを殺したのはマルキナの仕業。ドヤ顔で「ハンターって素敵」「ほとぼりが冷めるまで香港に行くわ」とかほざいて、映画は終わってました。
ドヤ顔のマルキナ


正直、途中からマルキナが仕掛けたのがわかるから、「衝撃のエンディング!」なんて感じではないんです。ただ、それでも面白かったのは、思いっきり“残酷な世界”を見せつけられたから。いや、僕だって元警官ですし、41歳の中年男性ですから、“世界の残酷さ”なんて、ある程度は知ってるつもりでしたけど、あらためて思い知らされたというか。劇中に出てくるエピソードで言うと、死体をバキュームカーに入れっぱなしにしたり、窓から路上にいる人を撃ったり。そして、拉致されたローラを待ち受けていた地獄のような仕打ち(首を切断した後に死姦してそれをスナッフフィルムとして記録。直接描写はありませんが、「セルビアン・フィルム」を思い出しました)とか、なおかつそのDVDに「HOLA!(やぁ!)」と書く悪趣味さとか…。マルキナだって、「チーターみたいなハンターって美しいわよね?」的なボンヤリした動機で4人の人生を破滅させてしまうなんて、その冗談のような悪意がスゲー恐ろしかったのです… (((゚д゚;))) ヒィィ


「HOLA!」と聞くと、ビッグ・パパ・パンプの「Holla! If ya' hear me!」を思い出す…というどうでも良い文章。




でも、現実の世界って、マジでこうなんだよなぁと。便利なインターネットでちょっと検索すれば、無惨な話がゴロゴロ転がっているワケで。このメキシコの麻薬カルテルのまとめとか、ルチャ・リブレの国とは思えない最悪っぷりじゃないですか。一応、そういうのとは無関係に暮らしているつもりですけど、でも、日本だって、決して「ない話」じゃないですからね。「君子危うきに近寄らず」という言葉のように、心底気をつけようと思いました。


僕的にメキシコはルチャ・ドールたちが平和を守っているイメージなんだけどなぁ…。




でね、そういう残酷さをちゃんと残酷に、でも、しつこくなく描写しているのが超好ましい。緑色のバイクに乗った運び屋“グリーン・ホーネット”の首がワイヤーで切断される場面や、トラックを巡るハードな銃撃戦、カーチェイスを経てライナーが射殺されるくだり、ローラの首なし死体が無惨に捨てられる場面、ウェストリーがワイヤー式首切断機「ボリート」で始末されるシーン…。どれも冷たくてイヤ〜な感じがして良かったです。直接描写はないところでも、例えばウェストリーがスナッフフィルムの話をするところとか、話をするブラッド・ピットの演技力もあって、かなり恐ろしかったですね…(しみじみ)。


運び屋がワイヤーで首をはねられるシーン、もっと違う手段があるような気がしないでもないけど、カッコ良いからOK!
運び屋グリーンホーネット

「ワイヤーで首を切り落とす」繋がりで、なんとなく「ゾンビ革命」のGIFを貼っておきますね。
画期的な退治法

マルキナの手下vs麻薬カルテルの銃撃戦も、なかなか良かったです。
銃撃戦

ウェストリーが始末される場面、「愚地独歩先生がそばに入ればワイヤーを斬ってもらえたのに…」と思った刃牙読者は多いのではないかな?(偉そうに)
ワイヤーを手刀で斬る愚地独歩


あと、僕的に身に染みたのが、麻薬カルテルの幹部がカウンセラーに話した内容。今、仕事があまり上手く行ってなくて大変なワケですが、仕事関係のある偉い方に「今、こういう結果になったのは、それ以前にキミが選択したからなんだよ」って風に、まったく同じような説教をされてまして。要は「後悔先に立たず」ってことですけど、つくづく「その通りだなよなぁ (´・ω・`)」としんみりしたり…。


この説教は真理ですけど、なかなかできないのが人間なんだよなぁ。
選択はずっと前におこなわれたのだ


ちなみに、好きじゃないところを挙げるとするなら、さすがに街中で「ボリート」を仕掛けるのはどうだろうと。それと、正直なところ、マルキナがドヤ顔で終わるのが腹立たしい。ああいう「頭が良いですキャラ」がそのまま勝つのって、全然溜飲が下がらないというか、特にローラが超悲惨な死を迎えているだけに、どうせならあの女も麻薬カルテルに酷い目に遭えばいい…と思ったりしたんですが、しかし! 今回の件が「アタシってハンターだから 川`∀´) ハンター!」なんて身も蓋もない動機から起きた…というのはウソで、本当のところは彼女の“復讐”だったのではないでしょうか?

あえて書くのを避けてきましたが、この映画で僕がトップクラスに好きなシーン、それはマルキナが車とファックする場面。パンティを脱いだ状態で、フロントガラスに180度開脚でまたがって、股間をこすりつけてハァハァする…。唐突に性癖を告白すると、僕は「透明のアクリル板に裸の女性が乗って、それを下から眺めるAV」が大好きでして… (´∀`;) エヘヘ このシーンには超ムラッときたというか、「ちくしょう、バルデム側から映せ!ヽ(`Д´)ノ」と激怒するほどだったのです。


該当シーンを貼っておきますね。バルデム側から観たい!
車とファック!


ただ、よくよく考えてみれば、いくらマルキナが変わり者だからといって、「車内で会話してたら、突然、パンティを脱いでフロントガラスにまたがる」なんて狂人レベルの行為。なぜ頭の良い彼女がそんなことをしたかと言えば、これはあくまで僕の妄想ですが、マルキナはあの行為が大好きであり、「ライナーなら受け入れてくれるんじゃないか?」と思ったからではないでしょうか。

人生において、“性癖”は結構重要な問題。あくまで例え話ですが、僕に「全裸で縛られた状態で尻を叩かれたい願望」があったとしても、それを奧さんに伝えることは一生ないワケです(あくまで例え話だけどね!)。もしかしたら、逆に奧さんの方もマグマのような“何か”を抱えていながらも、それを“心の小箱”にそっとしまって、飼い慣らしていたりして…。それだけ“性癖”というのは伝えづらい、伝えづらいものなのです。

となると、マルキナもそんな悩みを抱えていた女性だったのかもしれない。「初めての彼に思い切って告白して、やって見せたら、次の日、学校中に広まってて… 川ノω・、) シニタイ」なんて酷いハイスクールライフを経て、ずっと心にしまっておこうと誓ったあの日。でも、偶然、ガソリンスタンドで出会ったこの人なら? この人ならわかってくれるかもーー!? と思い切ってやってみたところ、ライナーったら「ナマズみたいだ… ('A`) ウヘェ」とドン引きですよ。この時のマルキナの切ない気持ち、誰が知る!ヽ(TДT)ノ だから、今回の件は、彼女的に“心を踏みにじられた”ことへの復讐だったのでは…って、すみません、考えすぎですな (ノ∀`) エヘヘ


マルキナとライナーが出会う特別動画を貼っておきますね↓ リドリー・スコットの息子ルーク・スコットが監督したそうな。




ううむ、何を書いているかわからなくなってきましたけど、登場人物たちの破滅っぷりにはドキドキしたし、麻薬カルテルも恐ろしかったし、劇中の説教もタメになったということで、非常に面白かったというか。「真面目に生きよう!(・∀・)」と強く思った次第。かなり好き嫌いが分かれる気がするので、無闇にオススメはしませんが、僕と映画の好みが似ている人なら、観ても損はしないと思いますぞ。




コーマック・マッカーシーによる脚本。kindle版もあるなら、買おうかしらん。



サントラ。MP3版もあります。予告編で流れてた「AWOLNATION」は劇中で使われていないので、当然ながら未収録。



コーエン兄弟監督によるコーマック・マッカーシー原作の映像化作品。ハビエル・バルデム演じるシガーが最高なのです。



ジョン・ヒルコート監督によるコーマック・マッカーシー原作の映像化作品。地味ですけど、シビアで結構好き。



なんとなく連想したアンドリュー・ドミニク監督作。レイ・リオッタが愉快。



まぁ、貼っておきますよ。僕はカリビアン.comの方が興味あるカナー(残念な文章)。








テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

2013/11/30 21:30 | 映画(2013)TRACKBACK(0)  TOP

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