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キャリー(2013年版)(ネタバレ)

キャリー(2013年版)※とても大事なことを書き忘れていたので、追記しました(12/13)

キャリー 2013

原題:Carrie
2013/アメリカ 上映時間100分
監督:キンバリー・ピアース
製作:ケビン・ミッシャー
製作総指揮:J・マイルズ・デイル
原作:スティーブン・キング
脚本:ロベルト・アギーレ=サカサ
撮影:スティーブ・イェドリン
美術:キャロル・スピア
衣装:ルイス・セケイラ
編集:リー・パーシー、ナンシー・リチャードソン
音楽:マルコ・ベルトラミ
音楽監修:ランドール・ポスター
出演:クロエ・グレース・モレッツ、ジュリアン・ムーア、ジュディ・グリア、ポーシャ・ダブルデイ、アレックス・ラッセル、ガブリエラ・ワイルド、アンセル・エルゴート、サマンサ・ワインスタイン、カリッサ・ストレイン、ケイティ・ストレイン、パリー・シャバカ・ヘンリー
パンフレット:★★★★(700円/柳下毅一郎さんのコラムが素晴らしい。デザインも好き)
(あらすじ)
地味で冴えない高校生のキャリー(クロエ・グレース・モレッツ)は、学校では笑い者にされ、家では狂信的な母親に厳しく監視され、孤独で鬱屈した日々を送っていた。やがて、学校の人気者トミー(アンセル・エルゴート)とプロムパーティに参加することになり、母親の反対を押し切ってパーティにでかけたキャリーだったが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


※今回の記事は、この映画が好きな人も嫌いな人も不快になる気がするので、読まない方が良いです。

「ブライアン・デ・パルマ監督の『キャリー』がリメイクされる!」と聞いた時、「誰得? (゚Д゚)」と思った人は多いハズ。さらにその主演がクロエ・モレッツちゃんだと聞いたら、やる前から勝負は見えているというかさぁ…。いや、僕だってクロエちゃんは大好きだけれども、やっぱりシシー・スペイセクの顔面力には敵わないじゃないですか。「ぼくのエリ」のリメイクの「モールス」よりも分が悪い勝負というか、ちょっと同情しちゃうというか…。

だがしかし! よくよく考えれば、ハリウッドで働く人たちなんて僕なんぞよりはるかに頭が良い&才能に溢れていて、あのYAZAWAさんのように、僕の生涯賃金を2秒で稼ぐような人たち揃いなワケですよ。そんな人たちが勝ち目のない勝負をするかと。そう思って「キャリー」のポスターを眺めていると、クロエちゃんが「勝算なくしてケンカを売るハリウッド女優はおるまいよ… 川´_ゝ`)と語っているような気がしてきて(通院した方が良い文章)、思わず前売り券を購入しちゃったのです。


範馬勇次郎相手にそれなりの勝算があった風な本部以蔵の画像を貼っておきますね。
勝算なくして武道家はケンカしません


まぁ、「マニアック」の時がスゲー酷かっただけに、レイティング問題が気にならなかったといえば、ウソになります。それを知って観に行くのを躊躇ったりもしたんですけれども! 「アタシって、日本では人気ないんだなぁ…頑張ってるんだけどなぁ… 川ノω・、) ションボリ」とクロエちゃんの顔を悲しみで曇らせたくない気持ちの方が強かったのでね(通院した方が良い文章)、先日、やっと新宿ピカデリーで観てきました。キュートな映画でしたよ (^ε^) チュッ


新宿ピカデリーのポスター。このデザインの方が好き。
ポスター

でも、靖国通り側のポスターには…。
靖国通り側のポスター

なんとクロエちゃんのサインが! 通行人が少なくなるまで、待つか…(犯罪の臭いがする文章)。
クロエちゃんのサイン

高校生1000円キャンペーンの告知にも起用されてました。
高校生1000円キャンペーン

場内のエスカレータ脇には「キックアス2」の看板が! 前売り券はすでに2枚買ってあるのです ( ̄ー ̄) ニヤッ
キックアス2の公開間近!


ハッキリ言って、ブライアン・デ・パルマ監督の1976年版に思い入れがある人なら、高確率で物足りなさを感じるとは思います。2013年版の「キャリー」は、もっと原作小説に近いのかと思いきや、予想以上に1976年版を踏襲しているんですが…(プラムの準備シーンのコミカルなムードも似てる)。案の定、シシー・スペイセクの不憫さには敵わなかったなぁと。例えば、映画冒頭のシャワーシーン。1976年版の体当たりっぷりを知ってる身からすると、どうしてもマイルドに感じちゃうというか、マイルドマンに見えちゃうというか(1つ不要な文章)。


クロエちゃんも頑張ってる! 彼女なりに頑張ってるんですけれども…。
2013年のシャワーシーン

このシシー・スペイセクの地獄のような不憫さには勝てませんわな〜。
地獄のようなシシー・スペイセク


どう観たって無惨に全裸をさらしている1976年版の方が恐ろしい目に遭っている感がビンビン伝わってくるじゃないですか。僕だってクロエちゃんに「脱げ」とは言いませんが、この時点で敗北は決まっていた印象。さらに遡るとオープニング、2013年版は自宅での自力出産シーンから始まるワケですけど、ジュリアン・ムーア演じる母親が赤子のキャリーに突き立てようとしたハサミが直前で止まるのは、いきなり超能力が発動しちゃったっぽいじゃないですか(母親がギリギリで止めたと受け取れなくもないですがー)。若干、範馬勇次郎の誕生シーンを思い出して愉快ではありつつも、「初潮とともに超能力が発動→少女から大人への変化するメタファー!ヽ(`Д´)ノ」って意味合いが弱くなっちゃうように思えて、なんか乗れなかったんですよね…。


ちなみに範馬勇次郎は生まれる直前から産婆さんへ高圧的な指示。
範馬勇次郎の誕生

誕生後は、母親に授乳を命令してました。恐ろしい子!Σ(゚д゚;)
範馬勇次郎の授乳


見せ場はやっぱりプロム会場での虐殺シーンなワケで。壇上でブタの血を浴びせられたキャリーは逆上して、会場にいる奴らを超能力で蹂躙するんですが、これも1976年版だと「みんなに笑われた!ヽ川TДT)ノ」という状況を混乱したキャリー目線で描いてるから、「暴走もやむなし」って感じなんですけど…。今回の場合は、心配そうにしている人たちが普通に映っちゃってるから、暴走する前に何とか止められそうなんですよね。一応、最後の展開を書いておくと、キャリーは会場で大暴れすると(先生を殺さないのは原作通りっぽい)、車に乗って逃げた首謀者クリス(ポーシャ・ダブルデイ)とビリー(アレックス・ラッセル)もキッチリ始末。帰宅したら母親も殺そうとしてきたので、しぶしぶ返り討ちしたものの、母親の遺体とともに自ら家屋の下敷きになりまして…。ラスト、スー(ガブリエラ・ワイルド)が「イジメ、カッコ悪い!ヽ川`Д´)ノ」みたいなスピーチをした後、キャリーの墓参りに行くと、墓にバリバリと亀裂が入って、映画は終わってました。なんとなく「今どきの終わり方だなぁ (´・ω・`)」と思ったり(スピーチとか蛇足だと思う)。

って、文句からダラダラ書いちゃいましたけど、気に入っているところも多いんです。というか、なによりもクロエちゃんが超可愛くて… (〃∇〃) ウフフ もうね、信用できる映画評論家の柳下毅一郎さんがパンフレットで書いていたように、僕もこれはクロエちゃんのアイドル映画だと思ってて。どう考えたってイジメられそうにない可愛らしさであり、あの動画をフルスクリーンで観ることを教えた奴とか、100パーセント気があるじゃないですか。今回のナプキンの件だって、むしろクラスにいる隠れファンにとっては好感が持てる出来事であって、クリスのような性悪ビッチを好まない熱い同級生たちが密かに「キャリーちゃんの処女を守る会」を結成して、あのブタの血を仕掛ける悪巧みを事前に防ぎそうな勢い…って、何を書いているのか、自分でもよくわからなくなってきました (ノ∀`) スミマセン


もう天使のような愛らしさなのです… (´Д`;) ハァハァ
天使のような可愛らしさ


なんて言うんですかね、ブライアン・デ・パルマ監督の「キャリー」が原典だとして、その迫力は決して超えられないけれども。今作は、その原典を“旬のティーン女優”が演じるという新たな魅力を打ち出したと思うのです。まぁ、「キャリー2」や、WOWOWで放送されたドラマ版を考慮すると、今回のクロエちゃんは“4代目キャリー”ということになるんでしょうが(「あばれはっちゃく」で例えるとブリッジ派?)、次も無理に“シシー・スペイセク越え”を狙わずに、成長したジョーイ・キングとかが可愛らしくも切なく“彼女なりのキャリー”を演じればいいんじゃないかしらん。日本に置きかえると「時をかける少女」「あんみつ姫」的な位置というか。そう考えると、いつか月曜ドラマランドで芦田愛菜ちゃんがキャリーを演じる日が来るかもしれませんな…(知った風な口調で)。


映画とはまったく関係ないんですけど、個人的に超懐かしいので貼っておきますね↓




ううむ、話が変な方向に逸れてしまいましたが(苦笑)、頑張ってるところはちゃんとあって。例えば、イジメっ子がキャリーをスマホで撮影→ネットにアップするイジメ描写や、そのスマホがちゃんとキーアイテムになる展開とか現代的で良かったし、キャリーの超能力習得場面も楽しかったし…(とは言いつつも、どちらの要素も「父の秘密」「クロニクル」の方が効果的な見せ方をしてたので、公開のタイミングが少し悪かったとも思うんですがー)。それと、クライマックスの虐殺だけは1976年版よりも派手で、なかなか良かったと思うのです(もっと人体を爆裂させたりしてほしかったけど)。特に、あの突進してくる車を超能力で止めるビジュアルはスゲー好きでしたよ。その他、母親役のジュリアン・ムーアやクリス役のポーシャ・ダブルデイなど、役者さんたちも非常に良い仕事をしたと思います。


今どきのイジメはすぐスマホで撮影するイメージですな。死ねばいいのに。
スマホで撮影!

このシーンは本当に大好きで、ここだけならまた観たいです。
カー・クラッシュシーンは大好き


ということでね、クロエちゃんが頑張ってて良かったです (´∀`) ウフフ 彼女の頑張りを観ていたら、それとなく“父性”が刺激されてしまって、なぜかお腹が空いたりもしたんですけど、それはまた別のお話(なんだこれ)。つーか、結局、僕なんぞは1976年版に囚われがちですが、逆に今作から観たら、それはそれでスムースにグッとくるような気がしないでもないのでね、気になる人は劇場に足を運んでくださいな。




ブライアン・デ・パルマ監督によるオリジナル版。初めて観た時、ラストで普通に飛び上がりました。



スティーブン・キングによる原作本。読んだのが中学生のころなので、内容はウロ覚えでございます…。



サントラを貼っておきますね。どうなんでしょ。



1976年版の続編。凄まじい値段になってますが、どうしても観たい人は中古ビデオで良いかもね。



キンバリー・ピアース監督作。未見ですが、かなり後味が悪い映画だとか。



クロエちゃんが世界的人気を獲得した作品。大好きです。



青春超能力映画。クロエちゃんに酷いことをしたアレックス・ラッセル、こっちではイイ奴です。



イジメられっ子ブチギレ映画。最近、ずっと「ダンテズ・ピーク」と混同してました…。









※とても大事な追記

すっかり忘れてたーー ('A`) 日々の生活に追われながら、駄文を垂れ流している弊害というか、僕的にとても大事なことを書き漏らしていました…。今、即死したいくらい恥ずかしいんですけれども、妻と娘のことを考えると、死ぬワケにはいかないのでね、とりあえず書き残しておきますよ。

この映画のファースト憎悪ポイントは、「キャリーがシャワー室でイジメられるシーン」ですが、セカンド憎悪ポイントとなると、やっぱり「イジメ動画をネットに流出させるシーン」ですよね。あの場面は、ハラワタが煮えくりかえりすぎて、なかなか味の良いモツ煮込みができるほどだったんですけど、注目したいのが、クズどもがキャリーのニセのプロフィールを作るくだり。なんと「好きな映画」に「ブラッドスポーツ」をチョイスしてたんです!


「ブラッドスポーツ」はこんな映画でございます↓




まぁ、「キャリーが初潮を迎えて血まみれ」という状況からの“別に気が利いてるワケでもないジョーク”として挙げられただけで、そんなに特筆すべきことではないのかもしれませんが…。でも、ちょっと考えてみてください。いくら「ブラッド」繋がりとはいえ、今から20年以上も前の映画を若者がチョイスしているんですよ? 僕は常々思っていたことがありまして。実は「ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演作で最も愛されている作品は『ブラッドスポーツ』なんじゃないか?」と。

例えば、アメリカのamazonなどでヴァン・ダムTシャツ(略称:ヴァンT)を探したりすると、出てくるのは「ブラッドスポーツ」の場面がプリントされたシャツばかりだし、シリーズとしては「4」まで作られているみたいだし…(日本では「3」までしかソフト化されてないけど)。僕は英語ができないので、そこら辺の事情はまったく探れないんですが、町山智浩さんあたりが「たまむすび」とかで扱ったりしないかなぁ。「その男 ヴァン・ダム」映画特電で取り上げてくれたから、可能性がまったくないワケじゃないと思うんですけど、無理かなぁ…。


ちなみに「4」は「Blood Sport IV: The Dark Kumite」ってタイトルだそうで。なにこの好みのタイプ!




ということで、こんな駄文を読んで、なんとなく気になった人はぜひ「ブラッドスポーツ」をチェックしてほしいんですが、20年以上前の格闘アクション映画なのでね(苦笑)、優しい心で観てぇ!ヽ(´Д`;)ノ オネガイ






テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

2013/12/12 01:05 | 映画(2013)TRACKBACK(0)  TOP

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