チャッピー(2D版)(ネタバレ)
チャッピー(2D版)
原題:Chappie
2015/アメリカ 上映時間120分
監督・製作・脚本:ニール・ブロムカンプ
製作:サイモン・キンバーグ
製作総指揮:ベン・ワイスブレン
脚本:テリー・タッチェル
撮影:トレント・オパロック
美術:ジュールス・クック
編集:ジュリアン・クラーク、マーク・ゴールドブラット
音楽:ハンス・ジマー
出演:シャルト・コプリー、デブ・パテル、ニンジャ、ヨーランディ・ビッサー、ホセ・パブロ・カンティージョ、ヒュー・ジャックマン、シガニー・ウィーバー、ブランドン・オーレ
パンフレット:★★★★★(820円/「ヨハネスブルグ・タイムス」みたいな企画は大好きです。良いパンフ!)
(あらすじ)
2016年、南アフリカ。ディオン(デヴ・パテル)は、世界初の自身で感じ、考え、成長することができる人工知能搭載ロボットのチャッピーを開発する。しかし、世界でも有数の危険地帯ヨハネスブルクに巣食うストリートギャングにチャッピーと一緒に誘拐されてしまう。起動したばかりで子供のように純粋なチャッピーは、ストリートギャングのメンバーたちと接し、彼らから生き抜くためのスキルを学んでいく。圧倒的スピードでさまざまな知識を吸収していくものの、バッテリー残量が5日分しかなく……。(以上、シネマトゥデイより)
予告編はこんな感じ↓
75点
※今回の記事には、グロい画像が貼ってあるので、そういうのが苦手な人は気をつけて!
※この映画に関しては、小覇王さんのブログがいろいろと詳しいので、そっちを読んで!
※今回の感想は、1994年版「フランケンシュタイン」のネタバレに触れているので、気をつけて!
ニール・ブロムカンプ監督の「第9地区」はとにかく最高だったし、「エリジウム」
だって中盤までは大好きだったので前売り券を購入。さらに尊敬する映画評論家の町山智浩さんの「たまむすび」での紹介を聴いて、超楽しみにしていたものの! 「残酷シーンをカットした」なんて話を聞いてしまって、なんとなく下がるテンション(というか、ナマニクさんの記事を読んで、「キャリー」
も一部がカットされていたことを今さら知りました… ('A`) ソウナノネ)。まぁ、なるべく多くの人に見てほしい→レイティングを下げるって理屈はわからないでもないんですが、残虐描写だって意味があるから入れられているワケで、日本の配給会社がボンヤリと判断してカットするってのは、まったく良いこととは思えませんわな(「ザ・レイド GOKUDO」はまだR18版を公開してくれたからマシでしたけど)。
抗議として観に行かない人がいるってのもスゲーわかるというか、間違ってないよなぁ…なんて思いながら、公開後にツイッターを薄目でチェックしてみれば、巷の評判はそんなによろしくないムードだったりしてね(※個人の印象です (o^-')b キニシナイデ!)。結局、モチベーションはあまり上がらぬまま、公開日から2週間以上経ってしまった6月8日(月)に仕事をサボって時間を作って、TOHOシネマズ新宿で観てきました(IMAX版は断念)。「『第9地区』ほどじゃないけど『エリジウム』
よりは好きさ!ヘ(゚∀゚*)ノ」と身も蓋もなく思ったり。ちなみに鑑賞後、渋谷で開催された「タマフル・トップ5オフ会」に参加したところ、こちさん(それなりに楽しかった派)にサンスケさん(スゲー面白かった派)、ひとみさん(最高だった派)たちと今作の話ができましてね。彼らと感想を話すうちに考えがまとまったということで、他の人と映画の話をするっていうのは面白いもの、ですな(知った風な口調で)。
スクリーン1、半分ぐらいは入っていた記憶。
新宿ピカデリーの展示が良かったので、貼っておきますね。
最初にあらすじを雑に書いておくと、ディオンは軍需産業テトラバール社で働く天才エンジニア。彼が開発した自律型ロボット警官「スカウト」は大評判なんですけど、彼自身は人間のように思考できる“究極のAI”を作り出すのが夢でして。試行錯誤を繰り返してやっと完成したので、CEOのミシェル・ブラッドリー(シガニー・ウィーバー)に相談したら、「ダメよ~ダメダメ (´∀`し」と返されたので(雑なリンク)、廃棄予定だったスカウトの22号を勝手に回収してAIをインストールしてみるんですが…。お金に困って現金輸送車などを襲おうと思っているギャング一味に「ロボット警官を作った科学者なら、無効化する方法を知っているに違いない!m9`Д´) ビシッ」と、拉致されてしまうんですね。
ディオンを拉致したのは、ニンジャ(ニンジャ)とヨーランディ(ヨーランディ・ビッサー)、アメリカ(ホセ・パブロ・カンティージョ)の3人。あーだこーだと話しているうちにAIを組み込んだ22号を起動してみれば、生まれたばかりの赤子のようでね… (´∀`) アラアラ すっかり母性本能を刺激されたヨーランディが「チャッピー」と名付けて超可愛がるも、ニンジャは「コイツは立派なギャングにする!(`Δ´)」と、いきなり見知らぬ土地で放置→ロボット警官と間違えられてリンチされたりと、大変な目に遭うチャッピーなのでした~(「きょうのわんこ」風に)。
子どもには学習が必要ということで、三者三様の教育がスタート。ちなみにテレビに映っているアニメの実写版がこの映画です。
創造主のディオンは「創造力」と「不殺の心」を教えまして。
ヨーランディは母性を発揮することで、「優しさ」を教えたんでしょうな。
ニンジャが教えるのは「武器の使い方」だったり、「アグレッシブな姿勢」だったり…。
さらには「見知らぬ土地に放置→リンチに!」という「千尋の谷に落とす」レベルの試練を与えてました (´Д`;) ヒデェ
しかも、「廃棄予定→バッテリーが5日しか保たない→もうすぐ死ぬ」ということに気付いたチャッピーは「どうして僕を作ったんだYO!ヽ(´Д`;)ノ バカバカ」とディオンをなじると、ニューボディ購入のための金を得るべく、ニンジャ一味の現金強奪計画を手伝うことになるんですが、しかし。そこにディオンに嫉妬しまくっていた反AI主義者のエンジニア、ヴィンセント・ムーア(ヒュー・ジャックマン)が絡んでくるから面倒くさい。彼の策謀により、スカウトが一斉に停止してしまい、彼が開発&激推ししていたED209の激似ロボ「ムース」が出動し、ニンジャたちを襲撃! 彼らを守るべく、チャッピーが奮闘するワケです。
エンジニアだけどマッチョなヴィンセントはかなり危ない人でして。
彼が作ったムースはED209っぽいこともあって、治安維持のためのロボにしてはやりすぎ感が強いのでした。
激しい戦いの末、アメリカとヨーランディが死亡するも、何とかムースを破壊すると、チャッピーはテトラバール社に乗りこんでヴィンセントを制裁(でも、許す)。最後は死にかけていた自分とディオンの意識を別のスカウトに移動することに成功し(ディオンも機械の体になる!)、2人は新しい生活をスタートさせまして。実はデータ化していたヨーランディの意識を特製ボディに移したところで、映画は終わってましたよ、確か (´∀`;) ウロオボエ
ちょっと思い出したので、「鎬紅葉を制裁する刃牙」の画像と一緒に貼っておきますね(「グラップラー刃牙完全版」第5巻より)。
僕的にこの映画には素晴らしいと感じた部分がいくつかあって。一番はチャッピーが超可愛い!ヘ(゚∀゚*)ノ ヒャッハ- 驚くほどに「素直な良い子」であり、楽しそうな時は心底微笑ましくなるし、酷い目に遭う時はマジで可哀想な気持ちになるのです。特に、リンチに遭う場面の哀れさと言ったら、もう… (ノДT) ウゥゥ 銃を使わずにヌンチャクや手裏剣を主武器にするのはカッコ良かったし、普段の目は「・・」なのに、怒ると「\ /」になるのも愛らしかったし、とにかくチャッピーは魅力的でしたね〜。
心優しいチャッピー。ニール・ブロムカンプ監督、こういうシーンのセンスが優れていると思う。
あと、ニンジャ&ヨーランディも良かった! この2人はダイ・アントワードというHIP-HOPグループで活動していて、今回の役名は芸名がそのまんまでしてね。最初はそのことを知らなかったので、エンドクレジットを見た時は「ニンジャを演じた人の名前が…ニンジャ? (゚д゚;) エッ?」と若干ビビりましたよ。2人とも良い感じで粗野かつ粗暴であり、特にニンジャの方は決してお近づきになりたくないタイプではあるんですが、そのアグレッシブな姿勢はどことなく憧れてしまうし、ちょっとチャッピーに優しくなるくだりは「雨の日に子犬を拾う不良を見た」気分になったし、クライマックスのムース戦での「ここは俺がくいとめる!お前は先に行くニャー!ヽ(`Д´)ノ」的な展開は涙が出た(結果、死ぬのはヨーランディですけどね)。この映画が一番訴えたいのは「子どもは環境次第でどうとでもなる」ということだと思うんですが、「チャッピーと触れることでニンジャたちも成長→子を持つことで親も変わる」ということも伝えたかったんでしょうな、たぶん。
ダイ・アントワードのPVを貼っておきますね↓ 「Enter The Ninja」ってタイトル、カッコいいな。
ちなみに「映画秘宝2015年06月号」で“信用できる映画ライター”ギンティ小林さんがニンジャのことを「漫画『エリートヤンキー三郎』
に登場する超アシッド面のヤンキー河合星矢が遂にパーフェクトな姿で実写化された」と評していて、「そういえば、昔は大好きでよく読んでたし、ドラマも観てたっけ… (´∀`) ホッコリ」なんて懐かしい心境になってしまい、思わずkindle版で漫画を購入。気がつくと26冊分ダウンロードしてたというね… ('A`) ドウシヨウ
「エリートヤンキー三郎」の河井星矢はこんな人。一時は「世界一面白い漫画」だと思ってました。
こうやって見ると、確かに“戦闘力の高い河井星矢”って感じがしなくもない。
ドラマ版はインパルスの板倉俊之さんが演じてましたね。DVD-BOX、持ってたりします。
実家に全巻あるのに、1万円以上も使っちゃったんだけど…。1クリックで買いやすい仕様、禁止!ヽ(TДT)ノ ウワァァァン
そして、“マッドかつマッチョなエンジニア”を演じたヒュー・ジャックマンが素敵だった! 基本的には善人役ばかりなイメージの彼が、あそこまで“乱暴かつ卑劣なマッチョ”を演じただけでも意外だったのに、超驚かされたのがクライマックスのイケイケドンドン振り。なんて言うんですかね、それまでは「人工知能が嫌いなんだな」「自分が作ったロボットを採用してほしかったんだな」といった“乱暴だけどまだ理解できる人”って感じだったのに、ムースを起動した瞬間、殺人鬼のようにギャングどもを殺していくから、「えっ、そこまで狂ってたの!? Σ(°д°;)」とビックリしつつも爆笑。非常に味わい深いキャラだと思いました。
「職場にいてほしくない人ランキング」があったら、かなり上位にランクインしそうな男なのです。
それと、最後のヨーランディをロボの体で生き返らせようとする展開、あれはちょっとチャッピーの暴走にも見えたというか。そもそも「ヨーランディはああいう体で生き返ることを望んでいるのか?」ということを考えると、1994年版「フランケンシュタイン」のエリザベスを思い出して(生き返った後、自分の醜さにショックを受けて自殺した)、あくまで「良い意味で」ですが、スゲー怖くてイヤな気持ちになった次第 (´Д`;) イヤーン
その他、敵対するギャングたちも凶暴そうで良かったし、銃撃戦も迫力があったし(この監督の銃器描写はイイ!)、ムースの容赦のない破壊っぷりもスゲー好きだったし…。基本的には好きな映画でしたよ。一応、不満を挙げるなら、いろいろと雑。登場人物たちが思いつきで行動しすぎだし、あれほどの兵器を開発している企業の割にはセキュリティがアマアマだし、「チャッピーの意識だけでなく、人間の意識もデータ化して移動できる」という展開もアッサリ到達しすぎ。あれって「トランセンデンス」と同じようなレベルに到達したってことだろうし、「それは“複製”されたもの→本当に“本人”と言えるのか?」的な問題だって持ち上がるじゃないですか。まぁ、そこら辺をシレッとスルーしたところがこの映画の長所でもある気がしないでもないんですがー。
で、残酷描写のカット問題。「アメリカがムースに踏まれる→その直後、壁に切断された胴体が投げつけられる」という展開が凄まじく不自然に見えるので、映画を観た人なら高確率で気付くと思うんですが…。どうせやるならもっと上手く処理してほしいなぁと。というか、あの1カ所でPG12がR-15になっちゃうって言うんだから、面倒くさい話ですな ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ ソフト化された時はちゃんと胴体が切断されるシーンが観られるようになっているのかしらん。
GIFを見つけたので貼っておきますね。確かにグロいけど…。
なんとなく、僕が小学生になる前に見てトラウマになった通り魔のGIFを貼っておきますね(「ウルトラマンレオ」より)。
おしまい!ヽ(`Д´)ノ レオー!
ニール・ブロムカンプ監督作。スゲー面白いです。
サントラです。輸入盤もあります。
良さげな公式設定集。洋書なので注意!
超カッコいいフィギュア。ほしいけど手が出ないよぅ…。
2015/07/10 01:05 | 映画(2015) | TRACKBACK(0) TOP
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