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グリーン・インフェルノ(ネタバレ)

グリーン・インフェルノ

グリーン・インフェルノ

原題:The Green Inferno
2013/アメリカ、チリ 上映時間101分
監督・製作・原案・脚本:イーライ・ロス
製作:ミゲル・アセンシオ・ジャマス、ニコラス・ロペス、クリストファー・ウッドロウ、モリー・コナーズ
製作総指揮:マリア・セストーン、サラ・ジョンソン・リードリヒ、ホイト・デビッド・モーガン、ジェイソン・ブラム
脚本:ギレルモ・アモエド
撮影:アントニオ・クエルチャ
美術:フェルナンド・アレ、ニコラス・トン
編集:エルネスト・ディアス
音楽:マヌエル・リベイロ
出演:ロレンツァ・イッツォ、アリエル・レビ、ダリル・サバラ、カービー・ブリス・ブラントン、スカイ・フェレイラ、マグダ・アパノビッチ、ニコラス・マルティネス、アーロン・バーンズ、イグナシオ・アラマンド、ラモン・ラオ、リチャード・バージ
パンフレット:★★★★☆(820円/企画記事がバカみたいに充実してるなと思ったら、松竹事業部の仕事でビックリ)
(あらすじ)
不正なアマゾンの森林伐採の実態を世に訴えるため、学生たちの活動家から成るグループは現地に赴く。その後、彼らの度を越した行動が目に余ったため全員強制送還されることになるが、その途中で搭乗機がエンジントラブルを起こしてしまう。熱帯雨林に墜落した飛行機の生存者たちは救助を求めるが、彼らを待ち受けていたのは食人族だった。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




90点


※今回の記事には、アダルトな画像や残酷な画像が貼られまくっているので、そういうのが苦手な人は読まないで!
※今回の記事は、「食人族」のネタバレに触れているんですが、「食人族」は超良い映画なので、観てから読んで!


「あのイーライ・ロスが食人族映画を撮った!ヘ(゚∀゚*)ノ」ということで、映画秘宝周辺ではかなり前から大騒ぎになっていて、「2015年 05月号」にはすでに宇多丸師匠のネタバレを伏せたレビューが載っていたし、その後もやたらと食人映画特集が組まれていたので、そりゃあ観たくなるのが人情じゃないですか。今年は「寄生獣」「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」「野火 Fires on the Plain」「ジュラシック・ワールド」と、人が食われる映画が多めだったので(ある意味、「ターボキッド」も含まれるかも)、そのラストを飾る作品としてもピッタリだしね。先行上映となる「映画秘宝20周年記念まつり」には行けなかったものの、前売り券を購入。事前に「食人族」のBlu-rayを買って復習したりと、楽しみにしていて、先日、やっと新宿武蔵野館で観て来ました。「真っ当な作り!Σ(゚д゚;)」と驚きましたよ。


ロビーには記事の切り抜きやら、コアチョコとのコラボTシャツやらが売られてまして。
記事の切り抜きなど

発売中止やらでゴタゴタした「食人族」のBlu-rayも置いてありました。
食人族も売ってます

ふと上を見上げると…「食人族の村へようこそ」だと…?(わざとらしい文章)
食人族の村へようこそ?

なんと奥には「密林おばけ屋敷」が! 手間掛かってるなぁ。偉いぞ、武蔵野館!
密林おばけ屋敷

中に入ったら、「食人族」の超有名な“サドルに座った女性が口に木をくわえている場面”が…って、台無しな文章ですな (ノ∀`) ゴメンネ
食人族の有名な場面が!


もうね、食人描写は100点でした。最初の犠牲者である“恋するデブ”ジョナが両目をくり抜かれる→舌を切られる→四肢を切断されるくだりは、凄まじいものがありましたが、全体的にカラッとしている&ブラックユーモアが盛り込まれているので、僕に耐性があるからかもしれませんけど(汗)、意外とキツくはなくて。というか、ジョナの解体シーンは、ちゃんと塩をもみこんだりと、燻製にする流れが実に丁寧だったりして、「文化としての食人描写」に心底感心いたしました。これ、「公開記念焼肉特番」なんてあったのが頷けるというか、鑑賞後に焼肉を食べたくなる人が結構多い気がします。


押さえつけられたジョナ。何をされるのかと言うと…。
押さえつけられたジョナ

生きたまま解体ショー! 目を抉られ、舌を切られ、四肢を切断されるのです ('A`) イヤーン
解体されていくジョナ

目玉や舌を美味しそうに食べる長老。ううむ、牛タンが食べたくなってきました。
目玉や舌を食べる長老

楽しげにモリモリ。村人たちの盛り上がり方からすると、人肉はたまのご馳走なのかもしれませんな。
楽しそうに食べるヤハ族のみなさん


ただ、そこがしっかりしていた分、逆に「マリファナのせいで空腹になったヤハ族たちが、集団で襲ってそのまま食べる」という場面では、ちょっとガッカリしましたよ。例えば、いくら僕らが餓えたとしても牛や豚をそのまま躍り食いしないように、やっぱり「ナマ食時ならではの斬新な調理テクが観たかった」というのは贅沢でしょうか。あと、ダニエルがアリ責めされる場面も、僕は虫がスゲー苦手ですけれども、もう少しゴア描写を入れても良かったんじゃないかなと(殴られた部分が開放骨折するとか、首を切断したらアリが出てくるとか)。とは言え、その他の「飛行機墜落時の死にっぷり」や「弓矢での死に方」など、「気が利いてるなぁ〜 (´∀`) ホクホク」と思う場面はたくさんあったので、基本的にはスゲー楽しかったんですけどね。


生きたまま食われるラーズ。子どもが足を抱えて走って行ったりとか、そういうユーモア描写は好きでしたが…。
生きたまま食われるラーズ

身体をアリに食われるなんでおぞましいにも程がありますけど、もう少しグロく描いても良かったのでは。
アリ責め中のダニエル

ちなみに「ゴルゴ13」に出てきた「女性の股間に蜂蜜を塗ってアリ塚に落とす」という拷問を幼少期に読んで、トラウマになりました… ('A`)
アリを使った拷問

事故の場面でちゃんとこういう死にざまを用意するあたり、イーライ・ロス監督は本当にわかってると思う。
無惨な死を遂げるパイロット

自分が愛していたサマンサの肉を食べていたことを知ってエイミーが自殺したりとか、人情の機微の描き方も上手だった印象。
自殺するエイミー


で、そういうゴア&グロ描写以上に、物語自体が超面白かったです。「前半、調子に乗ってた若者たちが、後半、地獄のような目に遭う」なんてホラー映画にはありがちな展開であり、「クイズ100人に聞きました」の観客並みに「あるあるある〜 (´∀`)」なんて言っちゃうワケですが(古すぎる例え)、本作が意地悪なのは「守ろうとした善意のボランティアたちが食人族に食われてしまう」という部分。日本で例えると、大地町の追い込み漁に反対するシーシェパードがイルカに食われる…って感じですかね。しかも、「リーダーのアレハンドロは大企業と繋がっていて、ライバル企業を蹴落とすために行動していた」とか、なかなかイヤ〜な裏側を描いたりしながらも、決してそういう人たちをバカにしているだけではなくて。

クライマックスに、主人公の女性ジャスティンが真の保護意識に目覚めて、「壊れた携帯を振りかざして軍隊から食人族を守る」という展開を用意するあたりがマジで素晴らしい。大学の「女性の割礼」についての授業とか、「ジャングルを守る人間は襲わない黒豹」とか、「飛行機が墜落した理由(他の企業が仕組んだ)」とか、伏線の張り方もしっかりしていて、「ほら、ゴア描写が観たいんでしょ?(`∀´)」だけじゃない(そういうのも好きだけど)、クレバーな映画に仕上がっているのがスゴイなぁと。お祖母ちゃんの形見が役立つとか、イヤな女はすぐ死ぬとか、そういう部分は外さないあたりも、イーライ・ロス監督、信用できると思ったり。


ジャスティン役のロレンツァ・イッツォはイーライ・ロス監督の奥さんだそうですが、最後の場面は神々しくて素晴らしかったです。
生き残ったジャスティン


一応、オチを書いておくと、ヤハ族の少年と交流したジャスティンは、その子の導きによって村を脱出すると、軍隊vsヤハ族の戦闘に出くわしたので、序盤の抗議活動で学んだ「携帯で撮影してるわYO!m9`Д´し ビシッ」攻撃を1人で実戦→戦闘終了→保護されて。アレハンドロも生き残っていて、まだヤハ族に囚われの身だったものの、あまりにもクズ野郎だったので、見捨てて帰国しましてね。ジャスティンは、関係者に食人の事実を伝えなかったため、ヤハ族の保護に成功するんですが、見捨てた罪悪感からアレハンドロの夢を観たり、アレハンドロが殉教者としてTシャツに顔が貼られている場面が流れたりして、エンドクレジットに突入。なんとジャスティンの元にアレハンドロの妹から電話があって、「衛星で兄が確認できる」との台詞とともに、上空をにらむアレハンドロの姿が映って、終わってましたよ。


クソ野郎、アレハンドロ。ただ、彼がラーズにした行為は、緊急避難とも言えるんですけどね…。
クズなリーダー・アレハンドロ


一番の不満を書くと、アレハンドロには超無惨な死を遂げてほしかったです。続編の構想があるから仕方ないんでしょうけど、そうなったら超スッキリと終われたというか、100点をつけても良かったというか…。何はともあれ、僕的にはイーライ・ロス監督の傑作「ホステル」以上に面白かったし、ヘタな映画より教育的に良いと思うほどの作品なのでね、興味がある人はぜひ観てみて!


最後に、「食人族」の有名なラストを知った風な顔で貼って、感想を終えたいと思います。
野蛮人は誰だ?


おしまい!ヘ(゚∀゚*)ノ ハラヘッタ!




イーライ・ロス監督による傑作ホラー。スゲー痛いので気をつけて!



別角度のカニバル作品。僕の感想はこんな感じ



これもまた違う感じの人肉食映画でございます。








テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

2015/12/25 23:05 | 映画(2015)TRACKBACK(0)  TOP

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