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初恋(ネタバレ)

※今回の記事は、本作が好きな人は怒る可能性があるので、読まない方が良いです。








初恋

初恋

2019/日本 上映時間115分
監督:三池崇史
脚本:中村雅
企画:紀伊宗之
プロデュース:紀伊宗之
プロデューサー:ジェレミー・トーマス、坂美佐子、前田茂司、伊藤秀裕、小杉宝
共同プロデューサー:飯田雅裕
ラインプロデューサー:今井朝幸、青木智紀
キャスティングプロデューサー:山口正志
撮影:北信康
照明:渡部嘉
録音:中村淳
美術:清水剛
装飾:岩井健志
ヘアメイク:石部順子
編集:神谷朗
音楽:遠藤浩二
音楽プロデューサー:杉田寿宏
VFXスーパーバイザー:太田垣香織
キャラクタースーパーバイザー:前田勇弥
画コンテ:相馬宏充
スーパーバイジングサウンドエディター:勝俣まさとし
スタントコーディネーター:辻井啓伺
カースタント:雨宮正信、野呂真治
俳優担当:平出千尋
助監督:山口将幸
制作担当:鈴木勇
出演:窪田正孝、大森南朋、染谷将太、小西桜子、ベッキー、三浦貴大、藤岡麻美、イエン・ジンクォク、トゥアン・ジュンハオ、矢島舞美、出合正幸、村上淳、滝藤賢一、ベンガル、塩見三省、内野聖陽、三元雅芸、内田章文、小柳心、山中アラタ、谷嶋颯斗
パンフレット:★★★(850円/画コンテがカッコ良かった!)
(あらすじ)
天涯孤独の身で類まれな才能を持つ天才ボクサーの葛城レオ(窪田正孝)は、試合でまさかのKO負けを喫し病院へとかつぎこまれた。医師から自分の余命がわずかであるという事実を突きつけられ、自暴自棄になりながら歌舞伎町の街を歩くレオの目に男に追われる少女モニカ(小西桜子)の姿が飛び込んでくる。ただごとではない様子からレオが反射的にパンチを食らわせた男は、ヤクザと裏で手を組む悪徳刑事・大伴(大森南朋)だった。モニカは親の虐待から逃れるため歌舞伎町に流れ着き、ヤクザにとらわれていたという。レオは彼女を救うことを決意するが、その選択はレオがヤクザと大伴から追われる身となることを意味していた。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


本作については、三池崇史監督作だから気にはなりつつも、「初恋」というタイトルがピンとこなくてね。「2020年2月公開で観たい映画の覚え書き」では「一応観たい」程度の気持ちだったんですけれども。Twitterで相互フォローしている方々の評判が結構良かったので観ることに決定。4月6日(月)、仕事帰りに丸の内TOEIにて、通常料金1800円を支払って、劇場で売られていたチキン&ポテトなどを摂取しながら鑑賞いたしました(その後、新宿に移動して「スウィング・キッズ」をハシゴ)。「こんなものじゃないーー (`・ω・´)」と思ったり。


4月6日のgif。新型コロナウイルス云々のせいもあったのか、観客は4人でした。
4月6日(月)のgif

鑑賞直後の僕の気持ちを代弁するイゴーリー・ボブを貼っておきますね(「餓狼伝」より)。
こんなものじゃないーー


とりあえずお話を雑に書いておきますと、インテリヤクザの加瀬(染谷将太)が悪徳刑事の大伴(大森南朋)と組んで「“ブツ”を強奪→その罪を敵対するチャイニーズマフィア&シャブ漬け売春婦のモニカ(小西桜子)に押し付ける」という計画を立案・実行するんですけど、偶然、通りかかった“脳腫瘍と診断されて自暴自棄になっている孤児のボクサー”葛城レオ(窪田正孝)がモニカを助けたことで、レオとモニカは加瀬と大伴、さらにヤクザやチャイニーズマフィアにも追われることになるのです。で、最終的には「ユニディ狛江店」を舞台に殺し合いが勃発して、レオとモニカと“昔ながらのヤクザ”権藤(内野聖陽)だけが生き残りまして。権藤の計らいにより、警察の手を逃れたレオとモニカは2人で新生活をスタート。レオはボクシング道を邁進し、モニカは頑張ってシャブを抜いて、めでたしめでたし…って感じでしたよね、たぶん (´Д`;) ジシンナシ


この2人がアパートで新たな人生を始めるムードで終わるのです。
モニカとレオ


まぁ、昔の三池崇史監督が得意としていた「犯罪バイオレンス群像劇」というか。パンフの監督&脚本家インタビューによると、本作は「往年のVシネマ時代のような作品(『DEAD OR ALIVE 犯罪者』など)を作る」「窪田正孝×『DOA』といったコンセプトでスタートしたそうで。これまたパンフで竹内清人さんが書かれていたように、僕的にも「新宿歌舞伎町を舞台にした『トゥルー・ロマンス』といった印象を受けました(つーか、本作を観て連想した人は多いハズ)。終盤、一部がアニメーションになったあたりは、ちょっと「ナチュラル・ボーン・キラーズ」を思い出したりもしたかなぁ。何はともあれ、僕は「DEAD OR ALIVE 犯罪者」「トゥルー・ロマンス」も好きなのでね(苦笑)、そりゃあ面白かったですヨ (´∀`) ウフフ

役者さんたちは本当に良くて。まず、孤独なボクサーを演じた窪田正孝さん、精悍でカッコ良かったし、「実は脳腫瘍じゃなかった」ことが判明してからの「死ぬ気になれば何でもできる!(`Δ´;)」と自分を鼓舞するところはスゲー可愛かったです。僕的に一番笑ったのは“クズでヘタレだけど必死にサバイブするインテリヤクザ”を演じた染谷将太さんで、悪徳刑事役の大森南朋さん“昔ながらのヤクザ”役の内野聖陽さんなどが脇を固める中、新人の小西桜子さんも体を張って見事にモニカ役を演じてましたな(ちょっと前田敦子さんに似てて好き)。あと、ヤクザの幹部を演じた出合正幸さんが良い感じに怖かったです。

ただ、本作を観たほとんどの方がそうだと思うんですけど(微笑)、何よりも感心したのが、ヤクザの彼氏(三浦貴大)を加瀬に殺されて復讐鬼になったジュリ役のベッキーさん! 殺し屋を素手で返り討ちにする格闘シーンは本作の白眉であり、爆破から脱出するシーンも最高だったし、今後もこの路線で頑張ってほしいと心から思いましたよ (°∀°)b ヨカッタ! その他、モニカが見る幻覚の父親(性的虐待をしていたクズの中のクズ)を演じた山中アラタさんも実にナイスな佇まいで、非常に好感を持ちましたねぇ…(しみじみ)。


恋人には一途なジュリ、恐ろしくて良かったです。ベッキーさん、これからもこんな役を!
狂暴なベッキー

山中アラタさん演じるモニカの父親。三池監督はこういう演出がスゲー上手いと思う。
山中アラタ


歌舞伎町での撮影は「お手の物」って感じで良かったし、首が転がったりとかゴア描写もあるし、予想出来ない展開にはなかなかハラハラさせられたし、「社会のはぐれ者同士が寄り添って暮らす」という優しくて温かいラストには涙が流れたし、好きなところだらけの映画ではあるんですけれども。正直なところ、鑑賞前に「絶賛の声」を聞きすぎて期待値が上がりすぎたのか、意外と物足りない僕もいたのだから、人間とは面倒くさい生き物、ですな(勝手に多くの人を巻き込んだ文章)。ううむ、ストレートな不満を書くと、警察絡みの描写については気にしないとしても、終盤に「ユニディ狛江店」で繰り広げられるアクションがイマイチだったなぁと。

たぶん「実際のお店を借りている上に予算も時間もない→練ったアクションができない」という事情があるのかもしれませんが、ホームセンターならではの戦闘がもっと観たかった…というのは贅沢でしょうか。染谷将太さんが薬物のせいで「撃たれても大丈夫モード」になったのは愉快でしたが、終盤のタイマンシーンは全体的にそれほど良くなかったし…。それと最後、警察の包囲を破るシーンをアニメにしたのは、三池監督にも言い分があるみたいですけど、ごめんなさい、僕は予算&アイデア不足を誤魔化しているように見えて、かなり萎えた次第 (´・ω・`) ガッカリ


いろいろ事情はあると思うんですがー。




とはいえ、僕が最も失望したのは、新しいボクシングアクションが観られなかったこと。僕は別にボクシングファンではないんですが(汗)、漫画や映画などでボクサーを観るのは大好きなので、「本作の主人公がボクサーで、ヤクザと敵対する」と知った瞬間、新しい“何か”が観られるんじゃないかと。ヤクザを前にして戦闘力を全開にするボクサーが観られるんじゃないかと、ボクサーが素手で人を撲殺しまくるアクションが観られるんじゃないかと、スゲー期待しちゃったんですよね…。


ヘヴィ級チャンピオンこそ、
武器を持たぬ、もっとも恐るべき、
生きた殺し屋なのである。
その両手が、くたびれはてて
動かぬようになるまで、
優に五十人は殺すことが
できるだろう。
いや、百人近く片づけることが
できるかもしれないぞ。
(訳・生島治郎 集英社刊より引用)


って、僕が上記の文章を知ったのは「グラップラー刃牙」29巻からなんですがー。
ヘヴィ級は殺し屋


そりゃあ本作の主人公はヘビー級ではありませんが、夢枕獏先生が編纂したアンソロジー「闘人烈伝―格闘小説・漫画アンソロジー」では、同じ体格ぐらいのボクサーが単身でヤクザの事務所に乗り込んで構成員を皆殺しにする話が載っていたし(うろ覚え)、高樹翎はジュニアライト級なのに素手で兵士を撲殺しまくっていたしボクサーなら、ボクサーなら、決してできないことではないのでしょう?(すがるような顔で) だから、本作葛城レオは確かにカッコ良かったけどさ、銃に頼ったりしたのは残念だったし(ウィービングで近付いて撲殺してほしい)、最後のチャニーズマフィアのボスとのタイマンも一撃で顔面を陥没させてほしかった…って、なんだか本作を好きな人から怒られそうな気がしたので、もうやめます (´∀`;) スミマセン


こんな葛城レオが観たかった…って、誰の共感も呼ばなさそうですな(「B.B.」より)。
撲殺する高樹翎


な〜んて、アホな文章を垂れ流しちゃいましたが、好きなところはスゲー多いし、基本的に面白い映画だったのは間違いないです。ただ、三池監督なら「もっともっとできるはず」というか、「こんなものじゃないーー (`・ω・´)」とも思っちゃったんですよね…。なんかね、偉いお金持ちが三池監督にたくさんお金をあげてくれたらいいのにな、そうだったらいいのにな。そんなワケで、変な期待を抱かなければ、普通に楽しめるバイオレンスムービーなので、未見の方は観てみてくださいな (・∀・) オシマイ




ソフトは7月8日に発売予定なのです。


ノベライズが出てました。漫画版もあります。


遠藤浩二さんによる本作のサントラでございます


引き合いに出されていた三池崇史監督作。今観てもスゲー面白いですな。


引き合いに出されていたトニー・スコット監督作。脚本を書いたのはクエンティン・タランティーノでございます。


三池崇史監督のヤクザ映画はこれも好き。僕の感想はここの1本目。リージョンコードに気をつけて!


実は最近一番好きな三池崇史作品はこれなのです (〃∇〃) ウフフ








2020/06/08 23:00 | 映画(2020)TRACKBACK(0)  TOP

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