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グッド・ボーイズ(ネタバレ)

グッド・ボーイズ


グッド・ボーイズ


原題:Good Boys
2019/アメリカ 上映時間90分

監督・脚本:ジーン・スタプニツキー

製作:エバン・ゴールドバーグ、セス・ローゲン、ジェームズ・ウィーバー

製作総指揮:ネイサン・カヘイン

脚本・製作:リー・アイゼンバーグ
出演:ジェイコブ・トレンブレイ、キース・L・ウィリアムズ、ブレイディ・ヌーン、モリー・ゴードン、リル・レル・ハウリー、ウィル・フォーテ、ミドリ・フランシス、ミリー・デイビス

パンフレット:★★★(820円/長谷川町蔵さんのコラムと音楽解説のページが良かった。写真に落書きがしてある仕様も好き)

(あらすじ)
小学6年生のマックス、ルーカス、ソーの3人組は女子たちから「初キス・パーティ」に誘われるが、キスの仕方が分からないので早速リサーチを開始。オトナの世界に好奇心が止まらない3人だったが、そんな中、マックスの父親の大事なドローンが壊れてしまう事件が発生。父親が仕事から戻る前に、遠く離れた隣町のショッピングモールまで行って新品のドローンを手に入れなければならなくなってしまい……。(以上、映画.comより)


予告編はこんな感じ↓





80点


僕はもう47歳のオッサンですから(苦笑)、「今さら少年たちが主人公の青春コメディを観てもなぁ… ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ」という気持ちがありましてね。正直、それほど観る気はなかったんですけど、愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」「ムービーウォッチメン」のリスナー枠に選ばれたので、とりあえず観ることに決定(その後、今週の「ムービーウォッチメン」の課題映画になった)。6月24日(月)、TOHOシネマズ新宿にて、シネマイレージ会員割引を利用して、「ANNA アナ」とハシゴしてきました。「いいハナシじゃないか ( ´_ゝ`) エラソウ」と思ったり。



8番スクリーン、観客は15人ぐらいでしたよ。

8番スクリーン


鑑賞後の僕の気持ちを代弁するグレート巽を貼っておきますね(「餓狼伝」より)。

いいハナシじゃないか



最初にあらすじを書いておくと、小学6年生のマックス(ジェイコブ・トレンブレイ)は、近所の幼なじみであるルーカス(キース・L・ウィリアムズ)、ソー(ブレイディ・ヌーン)と「ビーンバッグ・ボーイズ」を結成して、仲良く過ごしていたんですけれども。マックスがイケてるグループから「初キス・パーティ」に誘われた→憧れの女の子ブリクスリー(ミリー・デイビス)とキスするチャンス到来!Σ(°д° ) クワッ!」ということで、「どうやってキスをするのか?」を調べようとしたところ、近所の女子大生2人組を巻き込んで、「吸った!(`3´) チュー!」「揉んだ!(*゚∀゚)=3 ムッハー」の大騒動が巻き起こる…ってな調子。一応、オチを書いておくと、結局、作戦は大失敗したので「ビーンバッグ・ボーイズ」は解散の危機に陥るも、ルーカスの計らいによって、マックスは外出禁止を無視して、「初キス・パーティ」に参加→憧れのブリクスリーとキス! マックスは恋愛、ルーカスは正義、ソーはミュージカルとそれぞれの道を進むことになるも、ソーの主演ミュージカル「ロック・オブ・エイジズ」の打ち上げで再会すると、3人はセックスブランコに乗って友情を確かめ合うのでしたーー。 


左からルーカス、マックス、ソー。3人が三者三様の成長をするというね。
ビーンバック・ボーイズ


いや~、面白かったです!ヘ(゚∀゚*)ノ ヤッタァ! 多くの方が指摘されていると思いますが、「スーパーバッド 童貞ウォーズ」の小学生版(下ネタ仕立て)”といった印象。僕的に本作が素晴らしいと思ったのは「小学生感がリアルなところ」でしてね。フィクションに出てくる小学生って、気が利いたことを言ったりしがちですけど、実際は高学年でも「まだ子ども」じゃないですか。昨年公開されて多くの人類を悶絶させた青春映画「エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ」では等身大の中学生感が最高だったんですが、本作もまた上手に小学6年生たちを「背伸びしている子ども」って感じで描いていて。あの頃特有のとんちんかんな会話や価値観が面白かったし、実に懐かしかったですねぇ…(しみじみ)。本作を監督したジーン・スタプニツキー絡みの作品はあまり観たことがないんですけど(監督業は今回が初めて)、盟友リー・アイゼンバーグ(本作の製作&脚本)とコメディ畑で長年活動してきただけあって、ギャグ描写も良くて。シリアスな効果音を使ったネタは面白かったし、ルーカスが肩を脱臼したくだりには笑いっぱなしだったし、自分たちで肩を入れた時は「エラいぞ末堂、痛いんだヨ、アレは (▽∀▽ )」と思ったり(なんだそれ)。


このシーンが一番好きでした。スゲー笑った。
肩を脱臼!

脱臼した肩を入れるシーンを観ると、この愚地独歩を思い出すのです(「グラップラー刃牙」より)。
エラいぞ、末堂


 ただ、何よりも胸を打ったのは「幼年期の友情の終わり」を描いていたところ。劇中、大学生たちとの会話の中でマックスたちは「親同士が友だちで近所だから親友」ということに疑問を持つワケですが…。確かに小さいころってそうなんだよなぁと。僕は転校したり、地元と離れた場所の学校に通ったりしたのもあって、必然的に友だちがリセットされがちな人生でしたが、それでも「そういえば、仲良しだったKくんはどうしているのかな… (・ε・)」なんて思ったりしたし、自分の娘(8歳)の交友関係を思い浮かべたりしましたよ。あと、本作は「恋愛」を「全員が目指すべきゴール」ではなく「マックスだけの目標」として描いていて、それ以外の道に進む2人も肯定しているのがマジで見事であり、この部分は「スーパーバッド」よりも価値観がアップデートされていたというか、非常に感心いたしました。 


マックスは恋愛道を進みますが、それだけが「正解」ではなく、それだけが「青春」でもないのです。
マックスの恋愛


って、ベタ褒めですけど、明確に苦手だったのが下ネタ部分。本作は「主人公が小学生なのにR指定(※日本ではPG12)」という部分も話題になったそうで、僕もいくつかは爆笑しましたけど(ビールを股間に隠してチンコだと言い張るシーンが好き)、とは言え、小学生に“大人のオモチャ”を使わせて笑いをとる…ってのは、ちょっと合わなかったです。つーか、僕が己のジョイスティックでプレイをするようになったのは中学2年生と遅めでしたが(唐突なカミングアウト)、知識については小学校5年生ぐらいにはかなりあったワケで。いくらウブだろうと今の小学6年生だったら察しが付くだろうと思うし、パンフのプロダクションノートで製作者たちがやたらと「子どもたちには誤魔化した」的なエクスキューズを連発してましたが、「なワケねェーだろ」と。正直、下ネタ部分は他のネタに代替が利くとも思ったので(確かに下ネタは笑えたけど、本作の面白さはそこにないというか)、なんかね、手放しで絶賛できない僕もいた…って、伝わりますかね。


パンフに載ってた監督たちの「言い訳」を読んだ時の僕はこんな気持ちでしたよ(「餓狼伝」より)。
なワケねェーだろ


その他、思ったところを書いておくと、「ちゃんと『キスの同意をとる』という教育がされているのが今どき!(当たり前ですがー)」とか「高速道路で事故を起こすくだりは外出禁止程度じゃ済まないだろうし、大学生を“銃撃”したのもタダじゃ済まないだろうし、この手の青春コメディのリアリティ・ラインを逸脱する展開が多かったような…」とか「マックスがブリクスリーだけじゃなく、いろいろな子との出会いと別れを経験するのも新しい(別れた時の泣き顔には笑った)」とか「マックスが筋トレを続けた結果、フタを開けられるようになるシーンが好き!」とかとかとか。まぁ、何はともあれ、予想外にスゲーいいハナシだったというか、笑えてグッとくる素敵な青春コメディでしたヨ (°∀°)b ヨカッタ! 下ネタが苦手じゃなかったら、普通に楽しめると思うので、興味が湧いた方は観に行くとよござんす。




本作を製作したセス・ローゲンらが絡んだお下劣コメディ。未見なんですよね〜。


マックス役のジェイコブ・トレンブレイの出世作。僕の感想はこんな感じ。


ジーン・スタプニツキー監督らが注目されるキッカケとなったコメディ。これも未見でございます。


アホな童貞高校生たちが初体験の実現を目指すグレッグ・モットーラ監督作。スゲー面白いです。


ソーが劇中でやるのはこのミュージカル。これも観なくては… (`Δ´;) ヌゥ





2020/07/02 23:40 | 映画(2020)TRACKBACK(0)  TOP

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